『アメリカン・アニマルズ』ホンモノの犯人出演?衝撃の問題作!

アメリカン・アニマルズ(2018)
American Animals

監督:バート・レイトン
出演:エバン・ピーターズ、バリー・コーガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソンetc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ジョン・ウォーターズの2018年ベストテンにて2位に選出されたケイパーもの(強奪もの)。日本公開は5/17(金)公開ですが、一足早く鑑賞しました。本作は、一見すると普通のケイパーものに見えるのですが、なんと基となった事件の当事者、つまり犯人も出演しているとんでもない作品となっています。果たして…

『アメリカン・アニマルズ』あらすじ


2004年に4人の大学生が時価1200万ドル(約12億円相当)のビンテージ本強奪を狙った窃盗事件を映画化。ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、くだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと焦がれていた。ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出す計画を思いつく。2人の友人で、FBIを目指す秀才エリック、すでに実業家として成功を収めていたチャズに声をかけ、4人は「レザボア・ドッグス」などの犯罪映画を参考に作戦を練る。作戦決行日、特殊メイクで老人の姿に変装した4人は図書館へと足を踏み入れ……。エバン・ピーターズ、バリー・コーガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソンの4人が犯人の大学生役で出演。監督は、ドキュメンタリー映画「The Imposter」で英国アカデミー賞最優秀デビュー賞を受賞したバート・レイトン。
映画.comより引用

実は青春映画として秀逸

本作は、予告編を観るとシンプルなケイパーものに見えます。そして上記のような付加価値を知っていると、単純な色物に見えてしまう。しかし、実は想像と違った作品でした。これはいい意味です。

化粧をして、図書館に乗り込む姿をカッコ良く映したオープニングが観る者の心を鷲掴みにする。そして、そこに到るまでの過程を事件の当事者のインタビューと再現パートを交差させて描きます。監督のバート・レイトンは元々ドキュメンタリー作家。行方不明になった少年になりすまして家族に取り入った衝撃の事件に迫った『The Imposter』で評価された監督だ。
そんな監督は、『聖なる鹿殺し』で鬱屈した顔でスパゲティを食した演技で有名なバリー・コーガンの演出に力を入れることで、若者が犯罪をしてしまうまでの心理をリアルに描き出す。クラブで虐められ、趣味の絵もあまり周りに認められず、承認欲求に飢えた大学生スペンサーは、図書館巡りで時価総額1200万ドルの画集を知る。大学時代に武勇伝を作りたい、何かで爪痕を残したいと思った彼は友人のウォーレンと共に盗みの計画をする。

脳内では完璧。まるで『オーシャンズ11』のように手際よく、秘書をスタンガンで感電させ、画集を盗み出す。何度も下調べをして、イメトレもして完璧…だと思っている。

そう、この作品は、脳内では完璧だが、現実ではグダグダになってしまう青二才の若者をチクチクと甚振るブラックコメディとなっていたのです。彼らは完璧だと思っている。しかしながら岡目八目で観ている観客にとっては、あまりに滑稽だ。と同時に、こういった経験がある人にとっては笑うに笑えない状況となってくる。リスク管理ができていない未熟な青年たちが行き着く壮絶な地獄絵図に、普通のケイパーものでは味わえないハラハラドキドキを感じることでしょう。何たって、普通のケイパーものはスマートにモノを盗むのが売り。一応ツイストとして不測の事態は起こるものの、ここまで凄惨ではないからだ。

日本公開は5/17(金)。本作は上半期重要作品の一つなので、是非ウォッチしてみてください。

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