地獄門(1953)
監督:衣笠貞之助
出演:長谷川一夫、京マチ子etc
評価:85点
カンヌ国際映画祭
シーズンなので、
パルムドールを獲った作品を紹介。
皆さん、日本で初めて
パルムドールを獲った監督は
誰だ?と訊かれて誰を思い浮かべますか?
多くの人は、黒澤明とか
今村昌平と答えるであろう。
パルムドールを獲った監督は
衣笠貞之助、
「雪之丞変化」の監督である。
そんな監督の
パルムドール受賞作
「地獄門」を観ていくぞ!
「地獄門」あらすじ
菊池寛の「平家物語」や「源平盛衰記」などで有名な、袈裟と盛遠の物語を基にした「袈裟の良人」の
映画化。
侍がある作戦の道中で出会った女に一目惚れする。
作戦の功績から、お殿様に
「褒美をやろう、なんでも欲しいものを申せ」と言われ、
その女をリクエストすると、
「残念、人妻に手を出したらあかんよ」と断られてしまう。
そして、侍は狂気に陥る…
総天然色映画
日本初のカラー映画は松竹の1951年の「カルメン故郷に帰る」。
それに対抗し、大映が当時開発された
ばかりのイーストマンカラーを
使って大映初の総天然色映画として
売り出した作品。
そう聞くと、ましてやカンヌ国際映画祭
のコンペティションに出品し、
パルムドールを獲ったとなると、
単に当時はまだ珍しかった
イーストマン・カラーや
日本文化の珍しさによる受賞と思っていたのだが、
ストーリーも非常に強固で
今観ても楽しめる作品になっていた。
長谷川一夫に注目!
長谷川一夫の段々狂気の
ストーカーになっていく過程は圧巻!
濁音混じりに
「はぁはぁ、お前はオレのもんだ」と
迫る様子は笑いと恐怖の二面性を持っていた。
また京マチ子扮する、
女はファンサービスで、
琴をドラマチックに弾き、
侍を益々欲情させるシーンが、
現代のアイドルと
ストーカーキモオタクの
危険な駆け引きに通ずる
普遍性があり、楽しめた。
無論、日本文化映画としての
映像美もステキ。
カンヌ国際映画祭シーズンに
観てみてはいかがでしょうか?
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