『南瓜とマヨネーズ』音を奏でぬ音楽映画、それは毒々モンスターラ・ラ・ランド

南瓜とマヨネーズ(2017)

監督:冨永昌敬
出演:臼田あさ美、太賀、
清水くるみ、光石研、
オダギリジョーetc

評価:80点

去年見逃したので、アップリンクで観てきた。冨永昌敬監督の『ローリング

』がめちゃくちゃ面白かっただけに期待度が高まるぞーーーー!

『南瓜とマヨネーズ』あらすじ

魚喃キリコの同名漫画を映画化。せいいちはミュージシャンを夢見ているものの、バンド仲間と音楽性の違いから喧嘩別れをし、今は毎日自宅で楽器をいじっている。ライブにもいかず、作曲もまともにしないヒモ男と化している。そんな彼を彼女ツチダは支える。自分の為にいい曲を作ってくれると信じて。彼女はせいいちに隠れて風俗で金を稼いでいるのだが、段々と2人恋に亀裂が入っていき…

毒々モンスターラ・ラ・ランド

やはり冨永監督はゲス野郎を魅力的に掘り下げ、間で笑わせる達人だ。

ヒモを養うカノジョの退廃的な日々を描いた作品。

ヒモはミュージシャンだが、仲間と喧嘩して今はソロ活動。しかし、営業はしないは、音楽は作らないわ、家でグータラするばかり。おまけに、カノジョがなんとか金を作ろうとパパ活までして頑張っているのに、その稼ぎ方に文句を言う救いようのなさ。出てくる登場人物が『ローリング』に引き続き面白いほどにゲスしか出てきません。

そして観ている方は、なんでこんなゴミ野郎に構っているんだツチダさんよぉ?と思う。それが、段々と分かってくる。そして我々は気づかされる。これは『ラ・ラ・ランド

』なんだと。プロの音楽家として何処で妥協するのか?自分の求める音楽とは何かを突き詰めていくのだ。

だから、本作は音楽映画なのに、まともに曲を聴かせない。ライブ会場のシーンも多いし、常に近くに楽器はあるのに全く音を奏でない。こうする事で、苦悩から生まれる曲にカタルシスが生まれる。冨永監督のこの発見に痺れた。実に意地悪な『ラ・ラ・ランド』に惚れ込んだ。

また、冒頭でも語った通り冨永監督は「間」の魔術師だ。戦慄⁉︎パパ活シーンや、カーセックスシーンの気まずくブラックを極めた笑いは最凶と言えよう。

これは昨年観るべきだった。昨年観ていればベストテンに間違いなくいれたであろう作品でした。

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