【ネタバレ酷評】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ブンブンが一本満足できなかった5つの理由

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017)
STAR WARS THE LAST JEDI

監督:ライアン・ジョンソン
出演:マーク・ハミル、
キャリー・フィッシャー、アダム・ドライバー、
デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、
オスカー・アイザックetc

評価:50点

映画ファンよ!遂にやってきました地球最大の祭り『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』!私も、昨日は仕事を秒で終わらせ、17:30の終業と共に退社。ダッシュでTOHOシネマズ海老名18:00の回(通常字幕版)を観に行きました。今回の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』監督はライアン・ジョンソン。『101CULT MOVIES YOU MUST SEE BEFORE YOU DIE』に収録されている『BRICK』や町山智浩やライムスター宇多丸が絶賛していたブルース・ウィリス主演作品『LOOPER』などを撮っている新鋭監督だ。仏題が『Star Wars, épisode VIII : Les Derniers Jedi』と最後のジェダイが複数人いるような感じが見受けられたが果たして…そしてレイとカイロ・レンの運命は…さらにルーク・スカイウォーカーはどうなってしまうのだろうか…それではブンブンのレビューいってみましょう♪

※今回はネタバレ全開です。未見の方は….ゼッタイに…観ては…いけない…
※今回酷評記事になっていますので不快指数がたまる恐れがあります悪しからず

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』あらすじ

A long time ago in a galaxy far, far away…
レイとチューバッカは銀河の危機を救うため伝説のジェダイ:ルーク・スカイウォーカーの元へ向かう。一方その頃、ファースト・オーダーはレジスタンスを殲滅する為最後の作戦に繰り出していた。壊滅するレジスタンス。ならず者の英雄ポー・ダメロン、目覚めたフィンなどレジスタンス達は対立し合いながらも打開策を考える…

『スター・ウォーズ』ワーストクラスだった…

冒頭1分まで良かった…。レジスタンスを巨大戦艦が袋のネズミに追いやる。絶体絶命の危機に小型機一機立ちはだかる。パイロットの名前はポー・ダメロン。ポー・ダメロン、モー・ダメロンな絶望的なヴィジュアルにブンブンの心は鷲掴みにされた…しかし、映画を観ていくうちに不満が積もりに積もり、もちろん良いところも多いのだが、結果的に『ファントム・メナス』の次にワーストな作品となってしまっt。今回は5つの要素に分けてその理由を語っていきます。

ダメダメなポイント1:アクションの魅せ方が上手くない

旧三部作は神作過ぎるので、比較はよそう。『フォースの覚醒』『ローグ・ワン

』と比較して観る。そうすると決定的にアクションの魅せ方が下手である。まず、前菜となる宇宙でのドッグファイトシーン。戦闘機や宇宙戦艦を闇雲に爆発すれば良いってもんじゃない。カタルシスが生まれるってもんじゃない。本作のこの前菜部分のアクションシーンはまるで、ローランド・エメリッヒのダメ地球壊滅映画を観ているかのように、アクションが見辛いものであった。マイケル・ベイではないことが重要で、とにかく至近距離で爆発・破壊を魅せすぎてアクションがよく分からなくなっているのだ。

そして、場面の切り返しもあまり上手いとは言えない。『ローグ・ワン』の惑星スカリフでの死闘シーン。海岸沿いでの死闘と、本拠地での戦いの切り返しが上手く、広大なフィールドで戦っている壮大且つ臨場感がそこにはあった。本作の場合、惑星と宇宙空間、宇宙船と宇宙空間での戦いのシークエンスが上手くいっていない。

例えば、宇宙戦とフィンVSキャプテン・ファズマのシーンを切り返す場面がある。1分前まで、キャプテン・ファズマはフィンを殺そうとしていた。それも5m前で。しかし、宇宙戦艦が真っ二つに割れるシーンを挟んだ後のシーンでは、なぜかキャプテン・ファズマが遠くに移動しているのだ。しかも、遠くからまるで処刑の仕切り直しが如くストーム・トルーパーを従えて再びフィンの前に立ちはだかる。明らかにおかしいシーンのつなぎとなってしまっている。もしかすると、キャプテン・ファズマはフィンを殺す直前に撤退していたかもしれない。ブンブンの見逃しかもしれないが、それを差し引いてもおかしかったりする。

他にもコード破りの達人がいる惑星カントニカの都市カント・バイトでの逃走シーンも『ハードコア』のような主観アクションになっているのだが、ごちゃごちゃして観辛かったりする。

ダメダメなポイント2:演出がくどい

二つ目は、とにかく演出がくどいという点だ。特に本作はクライマックス的シーンが5つぐらいある。終わりそうなのに感動感動のシーンをラーメン二郎のようにマシマシで挿入していくのでくどい。『フォースの覚醒

』の溜めて溜めて….チャチャチャチャチャ~というあの素晴らしいエンディングと比べると非常に見苦しいものがある。

ダメダメなポイント3:カイロ・レンのキャラクター造型

今回レイとカイロ・レンの関係を深掘りした作品となっている。レイは良かった。エピソードⅠ~Ⅲの闇墜ちするアナキン・スカイウォーカー的側面とエピソードⅣ~Ⅵの希望の光しかないルーク・スカイウォーカー。どちらの側面も持つレイが「欲」と対峙しながら、古くさいジェダイの伝統をどこまで引き継ぐかを考えながらダークサイド入りから必至に逃れようとする様子には熱いものを感じた。誰しもプロフェッショナル、達人になろうとする過程で、自分のパワーを制御できずに闇墜ちしそうになることはある。昔の映画のように完全悪、完全善などないことを象徴したキャラクター造型が良かった。

ただ…カイロ・レンのキャラクター造型はレイに耐えうるものではなかった。これはある意味良い意味でもあり諸刃の剣ではあるのだが、カリスマ的悪代官ダース・ベイダーの後継になる者カイロ・レン。彼にはカリスマ性も崇高な思想もなく、とにかく感情で動くエモい存在。彼がとにかく「俺がルールだ!俺が神になり世界を創る!」という夜神月さながらの中二病でゴリ推す感じに大草原不可避でした。

彼だけが『フォースの覚醒』からimmも成長していない。今回の『スター・ウォーズ』はリップサービスを減らして新しいスター・ウォーズを語ろうとしているのだから、折角カイロ・レンの「善」の心を描こうとしているのだから、もう少し立ち止まってカイロ・レンの心理描写を掘り下げて欲しかった。

ダメダメなポイント4:ファースト・オーダーが鈍重

それにしても…今回のファースト・オーダーが無能に見えてしょうがない。折角、レジスタンスを袋のネズミに追い込んだのに、油断して取り逃す。これを劇中の見せ場で毎回やるもんだから頭を抱えた。帝国軍の圧倒的統率力と比べると、本作のファースト・オーダーはブラック企業のように感情論で理不尽に組織を動かし、その結果レジスタンスを取り逃す失態を魅せまくっている無能な存在だ。

本作を観て、ふと思い出したのが、カリスマの後の世界を描いた作品『デスノート Light up the NEW world

』のような感じだった。個人的にはこの作品は、しっかりと無能同士の正義のぶつかり合いを描いていて評価に値する作品だったが、本作はちょっとドン引きしました。

ダメダメなポイント5:2時間で十分では?

本作はシリーズ最長2時間半(最近のアメリカブロックバスター映画は上映時間長過ぎな気がする…あっでも『ロード・オブ・ザ・リング』からずっとそうか…)あるのだが、2時間で十分だったのではと思う。先述の通りくどいシーンが多すぎるので、それをカットして2時間にまとめたらもっとシャープな映画になったと思う。

ライアン・ジョンソンは三隅研次がお好き?

こうも酷評になってしまった『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ですが、良かったところもある。それは、「斬る」に拘った演出だ。本作ではスター・ウォーズの伝統を破壊したる!という気概に満ちあふれている。それはモノが斬れる描写に如実に表れている。本作はキャラクターだけではなく、宇宙戦艦やなななんと、ライトセーバーまで真っ二つに斬れるのだ!そして、レイとカイロ・レンが共闘するシーンも面白い。カイロ・レンがフォースの力でライトセーバーを動かして、ぶしゅ!とスノーク最高指導者を真っ二つにする。そしてそこから始まる乱戦では、レイとカイロ・レンがフォースで互いのライトセーバーを交換しながら戦う。このアクションは斬新で面白かった。この斬新でシュールな斬る捌きは、まるで『子連れ狼』シリーズの三隅研次映画を彷彿させられました。

そして、決戦の舞台であるクレイトでルーク・スカイウォーカーとカイロ・レンが戦うシーンは涙出るぐらい熱かった。あの赤い塩の使い方が見事アッパレとしか言いようがなかった。

最後に…

今回の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は個人的にダメダメでしたが、嫌いかと聞かれると「好きです」「サイコーだったぜ!」「I love it!」と叫びたい作品であることは間違いありません。なのでブンブンは明日、IMAXでも観てきます。早く忘年会で語り合いたいと思ったブンブンでした。

↑限定版パンフレット買いました今回はちゃんとレイが表紙なので嬉しいです。1200円するが買う価値あります。ただ、通常版(1000円)の表紙もカッコイイので、ファンは両方買った方が良いかもしれません。

↑メイキングです。

スター・ウォーズレビュー

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