世界から猫が消えたなら(2016)
監督:永井聡
出演:佐藤健,
宮崎あおい,濱田岳,奥田瑛二etc
評価:45点
二九地図更新。今回はどいらじさんをお呼びして初のコラボ回!テーマは〝初対面の相手に「1番好きな映画は何ですか?」と訊かれたらどの作品を挙げるか〟社交性と自意識、2つの映画系ポットキャストによる血で血を洗うプレゼン合戦。https://t.co/d6m8OHMzyo
— 山田岳志 KTY (@yamadtakesi) 2017年10月17日
先日、Twitterで二九歳の地図×どいらじコラボ企画「一番好きな映画は?と訊かれたらどう答えるか」というテーマでラジオ討論が繰り広げられていました。映画学校では、自己紹介で教授学生大勢の前で自分の好きな映画を晒さなければいけない。フェリーニや小津安二郎など模範的な解答を言うか、かますか?自分に嘘はつけないとありきたりの「バック・トゥー・ザ・フューチャー」や「スター・ウォーズ」と応えるか非常に悩ましいとのこと。
」か「フィツカラルド」を紹介します。この二作を紹介するようになって白けたことはありません。
さて、前置きは長くなりましたが、そんなラジオを聴いた後にNetflixにアップされていた「世界から猫が消えたなら」を観たら、まさに「貴方の好きな映画はなんですか?」バトルロワイアル案件でした。ってことで、急遽本作を紹介していきます。
↑映画好きに語る自分の好きな映画映画についてトーク ↑映画をあまり好きではない人にに語る自分の好きな映画についてトーク ↑この映画が好きな人とは距離を置く件についてトーク ↑リスナーからのお便り「世界から猫が消えたなら」あらすじ
脳腫瘍で余命僅かになった「僕」の前に自分とソックリな悪魔が現れる。彼は、世界からあるモノを消す代わりに余命を伸ばすと提案してくるのだが…川村元気のエモ過ぎる世界
原作はなんと、「バクマン。
」から「君の名は。
」などヒットコンテンツを世にはなってきた映画プロデューサーの川村元気の小説。様々な監督の持つエモさや強烈な作家性を中和することに長けている川村元気だが、自身の小説からエモさを抜くことが出来なかったようだ。
物語は、ズバリ甘酸っぱくなった「ファウスト」。悪魔との契約により、切なく哀しい末路へと猪突猛進していくのだが、そのプロセス、感情の高ぶり感が「君の名は。」より強烈なものとなっている。悪魔との契約で、思い出のキーとなる、映画、電話が消失していく、命は延びるが虚無と強烈な飢えが襲い慟哭が劇中に登場するイグアスの滝のように観客に押し寄せてくる。アニメだと涙腺が潤むのだが、実写でアニメのような強烈なカタルシス、それもエモさ100倍で迫ってこられると気持ち悪さを感じてしまう。何故か劇中中盤から酔ってしまいました。
映画のスタンドバトルに刮目せよ!
個人的に、チェ・ブンブンは「好きな映画はなんですか?」という枕詞は、「ジョジョの奇妙な冒険
」等の特殊能力バトル漫画における、「お前の能力魅せてみろよ!」というタイマンバトル、スタンドバトルの開始の合図だと思っている。
そんなブンブンは驚いた。佐藤健と濱田岳が大学の講堂で「好きな映画は何ですか」と語るシーンの構図が、バトルモードなのだ!残念ながら佐藤健演じる主人公はミーハーだったようで、濱田岳に圧倒される。「アンダーグラウンド」を劇場で観たかった!盲腸にならなければ良かった!という熱いトークから始まり、濱田岳は佐藤健に、「蒲田行進曲」「太陽を盗んだ男」「ライムライト」「メトロポリス」「ブエノスアイレス」と様々な映画を召還していくのだ!
物語自体はブンブンの口に合わなかったが、この戦闘モードで佐藤健にマウンティングを図りオーバーキルしていく濱田岳に熱くなりました。
実はブンブン、大学時代完全に濱田岳側のポジションで、友だちに「ニンフォマニアック 無修正ディレクターズカット」や「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」、「SHOAH
」などを貸していたぞw
それにしても…
それにしても、「メトロポリス」を観ている佐藤健に宮崎あおいが電話をしてくる場面で、「今メトロポリスのラストシーン観ているでしょ?」と訊くシーンのぶっ飛び具合が凄い。確かに「メトロポリス」はサイレント映画ながら伴奏が付いているのだが、あの伴奏だけでタイトルとシーンが当てられる人は映画検定1級の人も、今は亡き淀川長治さんもできないだろう。どんだけ好きなんだよww
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