【したこめネタバレ解説】「シンクロナイズドモンスター」アン・ハサウェイの人生がそこにある!

シンクロナイズドモンスター(2016)
COLOSSAL(2016)

監督:ナチョ・ビガロンド
出演:アン・ハサウェイ、
ジェイソン・サダイキス、
ダン・スティーブンスetc

評価:45点

資金調達ルートが確立されていない企画段階から、脚本を読んだアカデミー賞女優アン・ハサウェイが製作総指揮兼主演に立候補したこと、そして東宝に著作権侵害で訴えられて日本ロケではなく韓国ロケになってしまったことでも話題になった「シンクロナイズドモンスター」が第10回したまちコメディ映画祭りで上映されました。一時期は日本公開できないのでは?と話題になっていたが、結局アルバトロス・フィルムが配給することとなり、日本公開も11月3日(祝・金)と「ゴジラ」1作目の公開日と同じ日に決まりました。

したコメで観てきたので、一足早いですが感想を書きます。ただし、本作はネタバレせずに語るのが不可能な案件なので、ネタバレ読みたくないよという方は、11月3日まで読むのを待ってください。

「シンクロナイズドモンスター」あらすじ

ニューヨークで職も男も失ったアル中女グロリアは、故郷に帰り、地元でくすぶっている奴らとバーで仕事をしつつも毎晩のように晩酌を交わしていた。そんなある日、韓国で怪獣が出現し…

アン・ハサウェイ人生の映画だ!

上映後の辛酸なめ子のトークショーで意気投合したことなのだが、本作はハリウッド業界事情を知っていた方が楽しめる作品だ。ハリウッドには、酒やドラッグに溺れて落ちぶれていく者が数多くいる。今や「アイアンマン」役者としてハリウッドトップクラスに稼いでいるロバート・ダウニーJr.もアイアンマンになる前は重度のアルコール中毒に苦しめられていた。

そして今回、自ら製作にも関わっているアン・ハサウェイの人生を紐解くと、邦題通りシンクロしている。

アン・ハサウェイは2001年の「プリティ・プリンセス」で映画デビューするものの、プリンセス女優のイメージを払拭できず、「ブロークバック・マウンテン」、「プラダを着た悪魔」に出演するまで苦労する。インターネットではHatha-hatersというアンチ・ハサウェイ派を示す造語まで作られ悪口を言われまくっていた。

そんな彼女が、再び自分の道を見つけるまでをこの怪獣映画に託したのだ!なので、アン・ハサウェイが戦う敵の名前も「オスカー」だったりするのです。

映画としてはゴミ映画ですw

ただ、その背景を知らないで観るとあまりに変な映画で8割ぐらいの人は怒りがこみ上げてくるでしょう。

まず、怪獣の造型が、北朝鮮の怪獣映画「プルサガリ」のぱくりにしか見えないのだ。いくら著作権侵害で東宝から訴えられたとしても、北朝鮮の怪獣映画からパクってくるのはいかがなものか?オマージュではなくパクりに見えてしまうところが問題だ。しかも、物語の運びとしても、主人公グロリアは直ぐに真実に気づいてしまうし、予算の関係かアクションを全然魅せてくれない。人の死も魅せてくれないのだ。

ただ、怪獣映画としては失格なのだが、アン・ハサウェイの人生を知った上で観ると面白いので、カルト映画としてちょっとオススメしたい作品でした。

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