荒野の千鳥足(1971)
WAKE IN FRIGHT(1971)
監督:テッド・コッチェフ
出演:ゲイリー・ボンド、
ドナルド・プレゼンスetc
評価:85点
夏休み、今年は7月からアフリカ人も悶絶する程の猛暑で参っている人も多いはず。そんな猛暑の夏、暑すぎる夏休みにぴったりな作品を見つけました。その名も「荒野の千鳥足」。「ランボー」のテッド・コッチェフが撮った作品とのことだが果たして…
「荒野の千鳥足」あらすじ
田舎町で教師をしている男は、クリスマス休暇に、シドニーの恋人に会いに行く。しかし、途中立ち寄ったヤバという町で保安官から歓待を受け、酒とギャンブルに溺れてしまう…実はクリスマス映画だった!
予告編を観る限りだと、夏休み映画っぽく見えたのだが、フタを開けてみたらクリスマス映画でした。確かにオーストラリアは日本と気候が逆なので当然なのだが…
原題のWAKE IN FRIGHT通り、本作は恐怖で飛び起きる二日酔い映画です。男は、教師になったものの、周りに何もない田舎町に左遷させられてしまう。シドニーに住むカノジョに会いたくて会いたくてしょうがない。そして訪れるバカンス。飛び上がるように浮かれ、旅に出る。途中、ヤバという町に一泊することになるが、そんな町なぞどうでも良い。早くカノジョに会いたくてしょうがない。
しかし、ここからおぞましい体験が待ち受ける。バーで呑んでいたら保安官に捕まってしまって、「俺の酒を呑め」とビール5杯程呑まされてしまう。そしてそのままギャンブルを紹介される。ギャンブルは普通しないのだが、男は1000濠ドル払えばシドニーの学校に転勤できることを知っているのでついついギャンブルにのめり込んでしまう。最初は勝利し、金が面白いほどに増えていくが、ギャンブルの怖いところ、気づいたときには一文無しになってしまい、シドニーに行く金すらなくなってしまう。
ここから先は実際に観て欲しい。本作には、一切悪人は登場しない。全編の8割、サンサンとした太陽の眩しさが画面を包んでいる。誰も主人公を殺しに来ない。しかし、メチャクチャ怖い。酒に溺れていく恐怖。歓待から逃げられない恐怖。不快で不快で堪らない。でも、むちゃくちゃ惹き込まれます。
ビールが呑みたくなる
それにしても、本作は酒に溺れていく男を描いている。暴飲暴食、暴力的なのだが、妙に登場人物が呑む酒が旨そうに見える。本作を観終わった後にはビールが呑みたくなること必至な作品です。灼熱地獄の夏に観てみてはいかがでしょうか?
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