ブラムBLAME!
監督:瀬下寛之
声の出演:櫻井孝宏、
花澤香菜、雨宮天etc
評価:45点
Netflixが面白い試みをしている。先日5/20(土)より新宿ピカデリー他にて公開されたアニメーション映画「ブラムBLAME!」をNetflixでも同時配信しているのです。興行収入的に非常にギャンブルな試みといわれる、本作をブンブンはNetflixで観てみました。潤沢な資金がある為か、非常にグラフィックにこだわっている作品でしたよ。
「ブラムBLAME!」あらすじ
「シドニアの騎士」の弐瓶勉の漫画デビュー作「BLAME!」の映画化。人間は暴走する巨大階層都市に支配されていた。巨大階層都市は、人間を駆除の対象とし、監視カメラに発見されれば直ちに殺人マシーンによって駆除されてしまう。そんな世界で細々と暮らしているある集団は、謎の男・霧亥の出現で、現実を変える一世一代の大博打へと出る…「マトリックス レボリューションズ」だった…
本作を観て、すぐに既視感を抱いた。どっかで観たことあるな、観たことあるな、と思っているうちに、ある答えが浮かんだ。それは「マトリックス レボリューションズ」です!まあ、原作は1997~2003年に出版されているだけに比較するのもどうかと思うのだが、不気味な挙動で人類に襲いかかる兵器、そしてカオスなほどに巨大な都市観が完全に「マトリックス レボリューションズ」だったことに驚きを隠せない。支配される側になった人類が、超人的能力を持った謎の男と共に激しい戦闘を繰り広げる様子は、懐かしさを感じます。そして「マトリックス」の場合、謎の男ネオ視点から描いていたのに本作は一般人目線から描かれるので、簡単に兵器に虐殺されるはかなさ、そして些細なことでもミスをしてしまう様子にリアリティを感じました。
新奇性に欠ける
ただ、「ブラムBLAME!」は残念ながら既存のディストピア映画と比較し秀でるものに乏しい作品であった。壮大な世界の話にも関わらず、ポンポンストーリーが駆け足で進み、結局多くのことが消化不良な状態で終わってしまう。ラスボス戦も、人類側も都市側も強さに歴然とした差や、絶望感がない為、どうも爆発エフェクトが激しいだけでアクションとして非常に観辛いものとなっていました。折角、入り組んでいる都市というフィールドを使っているのなら、それこそ「マトリックス レボリューションズ」のように、狭い空間と広い空間の強弱をつけてアクションを描けば良いのではと感じた。
カタカナ題名に文句
最後に、本作は「ブラムBLAME!」とご丁寧にカタカナ表記が振ってあるのですが、これって「ブレイム」ですよね。BLAMEは間違いを非難し、責任を問うという意味の動詞で、まさに人間側と都市側双方の思想を反映した良いタイトルにも関わらず、カタカナ表記が微妙で少し残念でした。とは言っても、決してつまらない作品ではないので、是非劇場ないしNetflixで鑑賞してみてはいかがでしょうか?
【2017/05/25更新】
読者からご指摘頂きました。「BLAME!」は銃声を表す擬音から来ているので「ブラム」と表記されているとのことです。
タイトルの「BLAME!」は銃の発砲音(オノマトペ)から来ています。
マトリックスは全編、日本のアニメ、漫画からの引用で構成されていますので、「BLAME!」からの引用の可能性は高いですね。
Anonymousさん、ご指摘有難う御座います!
原作は「マトリックス」以前に出版されているので、影響受けている可能性は高いですね。特に「レボリューションズ」は攻殻機動隊より「BLAME!」感の方が強い気がしました。