ゼミ卒業旅行で尾道に行くぞ!
ついにブンブンが2年間ゼミ長を
務めたリービ英雄ゼミ最後の授業が
終わってしまいました。
最後はブンブンが中上健次の
「岬」について論じ、
白熱した議論で幕を閉じたわけだが、
実はもう一つお楽しみがある。
それは卒業旅行だ。
多数決の末、「尾道」へ
行くことになりました。
尾道といえば、志賀直哉や
林芙美子といった文豪を
生んだ土地である一方、
映画の街でもあります。
小津安二郎の「東京物語」や
新藤兼人の「石内尋常高等小学校
花は散れども」の舞台となった街でもあるが、
なんといっても鬼才・大林宣彦が
多数の傑作をこの地・尾道で
生んでいる。
今回、尾道旅行に行く前に
観るべき作品5作品
(どうしても大林映画が多くなるのだが
ご了承ください)紹介していきます♪
1.転校生(1982)
監督:大林宣彦出演:尾美としのり、小林聡美
昨年から日本映画史を変える程に
大ヒットしている「君の名は。
」、
そのルーツは、大林宣彦監督の
「転校生」にある。
特に、男子と女子が入れ替わって、
性の違いを再認識して、恥じらう
描写は本作が原点である。
大林監督は、宮崎駿そっくりな顔で、
扱うテーマもジブリを3次元に置き換えた
作品が多いのでカモフラージュされがち
だが、実は毎度「風立ちぬ」もびっくり
斬新なショットと、少女に対する
フェチズムが全開の
変態監督だったりする(良い意味でw)。
2.時をかける少女(1983)
監督:大林宣彦出演:原田知世,高柳良一
最近、「君の名は。」は
「転校生」と「時をかける少女」
という今や文化祭で中高生が劇で
二番煎じを作るほど、
陳腐化した2つの物語をPPAPの
ようにウンッ!と合体させ、
核爆発させた作品だと思っている。
それだけに、大林宣彦版
「時をかける少女」からも
「君の名は。」要素が
見え隠れする。
崖の上で、愛を叫ぶ
超ファンタジックな展開に
心が締め付けられる。
淡い、淡い、とにかく淡い。
3.東京物語(1953)
監督:小津安二郎出演:笠智衆,東山千栄子,
原節子
言わずと知れた傑作中の傑作。
本作の8割は東京が舞台なのだが、
忘れてはいけない。
東京にやってくるおじいちゃん、
おばあちゃん
の住処は尾道だと
言うこと。
1950年代、戦後尾道の家と汽車の
長閑で美しい自然描写は
要注目だ。
ブンブンは個人的に、
本作はホラーだと感じている。
どんなに家族から虐げられても
笑顔で悟るおじいちゃん
おばあちゃん。
そして笑顔であしらう
家族に背筋が凍る。
4.裸の島(1960)
監督:新藤兼人出演:乙羽信子,殿山泰司
自然を神話的に描いた作品と
言えば1985年「火まつり」を
浮かべるが、自然を神話的に
魅せる日本映画は巨匠・
新藤兼人が既に撮っていた。
この「裸の島」は、
広島の孤島で自給自足をする
家族の様子を淡々と、淡々と
描いている。
台詞は少なく、徹底的に孤独の
リアリズムを描くことで、
自然と人間の本来の関係を
強烈に描き出した傑作。
尾道は、その家族が買い物しに
出かけるシーンで登場する。
尚、新藤兼人監督は
終戦からたった7年で
「原爆の子」という
強烈な原爆描写を描いた
作品を発表し、
第五福竜丸事件から
5年で「第五福竜丸」も
製作。
100歳までチャレンジングな
作品を作り続けた。
本当にすんげー人だったな~
5.男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983)
監督:山田洋次:出演:渥美清,竹下景子,
中井貴一,杉田かおる
「男はつらいよ」シリーズ32作目にて、
尾道にある島・因島でロケが敢行されている。
実はブンブン、1/1から
寅さんフルマラソン
敢行中で現在24作目までしか
進んでいないので、これは未見。
卒業旅行までには観たい作品だ。
最後に…
ゼミの最後の飲みで、
尾道にある「おのみち映画資料館」
にはオトナの事情で大林宣彦映画は
紹介されてないと聞いた。
展示はされてなくても、
大林宣彦映画は、
尾道と物語を強固に
結びつけている点非常に重要。
ってことで、出来れば、
「転校生」か「時をかける少女」を
観てから行くことをオススメします。
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