The King is Alive(2000)
監督:クリスチャン・レヴリング
出演:ジェニファー・ジェイソン・リー、
ロマーヌ・ボーランジェetc
評価:20点
1995年からデンマークで始まった
映画運動ドグマ95。
シリーズ第4作目は、
「悪党に粛清を
」の
クリスチャン・レヴリングが
送るサスペンスだ。
「The King is Alive」あらすじ
砂漠のど真ん中のゴーストタウンにバスが燃料不足で立ち往生する。
灼熱地獄に精神が病んでいく
11人の男女。
ある一人が、暇つぶしに
「リア王」を演じることにするが…
何故「リア王」を…?
この手のストーリーと言えば、「飛べ!フェニックス」のように
個性的な人物が対立しながらも
協力して砂漠から脱出する
話を想像する。
しかし、本作では誰一人
協力し合うこともなく、
協力するとしても、
暇つぶしに「リア王」を
演じることだけと、
アヴァンギャルド且つ
全くもって物語に説得力が
ないものとなっている。
「リア王」とは?
シェイクスピアの書いた悲劇。
リア王は3人の娘に国を与えようとするのだが、
末っ子の言動にむかつき勘当する。
しかし、いざ国を長女と次女に譲ると、
騙されてリア王は追放される
気が狂っていくという話。
騙す方、騙される方
確かに、本作では戯曲とリンクして
11人の登場人物がいがみ合い
騙しあうのだが、
「リア王」らしさは皆無である。
そんなことをするぐらいなら、
とっとと火を起こそうとしたり、
携帯電話を修理するなどして
脱出を図ってもらいたいところである。
ずっと暇つぶしの「リア王」を
観せられる観客の気分に
立って欲しいところだ。
映像は面白い
ただ、ドグマ映画だけあって
ハンディカメラで撮られた
独特の荒々しさはなかなか
面白いところ。
ハンディカムで映し出される
砂漠や青空は美しいのだが、
人物や建物はザラザラとした
粗が目立つという1990~2000年代
にしか撮れない映像が観られたのは
非常に良かった。
ドグマ95はいち早く、個人が少ない予算で
セットを組まずに手持ちカメラで撮影する
映画手法を確立していたんだなと思いました。
イメージフォーラムで公開される
全編iPhoneで撮影された
「タンジェリン」なんか、
普通の映画と変わらないぐらい
映像綺麗でしたよ!
(正直本作はクリスマス映画なので、
12月に公開して欲しかったな~)
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