“Ç”【挿入曲リストつき】「さざなみ」シャーロット・ランプリングが怖い

さざなみ(2015)
45years(2015)

監督:アンドリュー・ヘイ
出演:シャーロット・ランプリング、
トム・コートネイetc

評価:80点

昨年のベルリン国際映画祭で
男優賞、女優賞W受賞
した
渋い人間ドラマ「さざなみ(45years)」
がシネスイッチ銀座で公開
されたとのことなので観てみる
ことにしました。
95分という短い時間、
狭いコミュニティでの話
なのにスリリングで
恐ろしい話でしたぞ~

「さざなみ」あらすじ

結婚45周年パーティを控えた
老夫婦の一週間を描いたドラマ。
結婚45周年パーティの準備も整い、
夫婦ウキウキだったのだが、
ある一通の手紙という「さざなみ」
が不穏な空気を運んでくる。
その手紙の内容とは、
夫が妻と付き合う前に
付き合っていた女の
遺体が氷山から
見つかったとの知らせだった。
氷山に閉じ込められたその遺体は、
夫が27歳の時の頃のまま
保存されているという。

夫はその遺体のことが
気になってしょうがない。
妻はそんな夫に嫉妬してしまい…

もろく壊れゆく鴛鴦

本作は、男と女の恋愛の価値観を
95分の中にねじ込む、
切れ味抜群の脚本捌きに
よる作品である。

夫婦の行動一つ一つが
破局に繋がりそうで
観ている者は、
予想を裏切る程
ハラハラドキドキさせられる。

例えば、夫婦で図書館に行くと、
夫は山の本を借りる。
そしてカフェでお茶する
際におもむろに本を取り出し、
「地球温暖化を防がないと
氷山が溶けてしまう」
と言う。
そして奥さんが動揺の
あまりにグラスを倒してしまう。

そう、実は山で発見された遺体は
氷の下にあるのだ。
故に、「地球温暖化を止めないと
彼女が出てきちゃうよ」
みたいに
読み取れちゃうのだ!

この描写の脚本から、
レベルの高さを伺える。

シャーロット・ランプリングの
演技が怖い

そして、何より凄いのは
主演のシャーロット・ランプリングの
嫉妬と悲哀に満ちた演技が
神がかっているのだ!
世間体を気にして、隣人やお友達の
前では明るい彼女が突如
表情を曇らせていくところ。
夫は結構、昔の女と妻の線引きを
できちゃうのに、
「私は二番目の女なのね!」
と悶々する様子は
逆にホラーだ。

それでもって夫が全然、
妻の異変に気づかない…怖い怖い!

男子にとって本作は
いい教科書と言えよう。

サントラに隠された謎

町山智浩も言っているが、
本作は音楽が重要な作品である。

例えば、劇中で
ザ・シャンゲリラズの
「Remember walking in the sand」

が流れる。

これは大好きな人を見送って、
何年か経って不幸の手紙が届いて
どうすればいいのって歌詞だ。
ストーリーにリンクしている。

しかし、日本では権利の関係で
サントラになかなか歌詞の訳を
つけられないから
結構スルーしてしまう。

他にもThe Moody Bluesの
「Go Now!」
が流れる場面があるが、
これなんか、
「僕はさようならって言ったから、
君は僕の前から去ってくれ」
って
歌詞だ。

曲に対する予習をしておかないと、
何故、あのシーンで
シャーロット・ランプリング
は動揺したりするのかが
わかりにくかったりする。

ってことで、下記に曲リストと
対訳ページのリンクを張っておきました。
是非とも参考に使ってください。

「さざなみ」サントラリスト

1.My Autumn’s Done Come
(Lee Hazlewood)

2.Remember walking in the sand(ザ・シャンゲリラズ)

3.I Only to Be with You(ダスティ・スプリングフィールドver.)

4.Stagger Lee(Lloy Price)※和訳なし

5.Tell it Like it is(アーロン・ネヴィル)

6.To Sir with Love(Lulu)

7.Young Girl (Gary Puckett & The Union Gap)

8.Happy Together(タートルズ)

→そういえば「ミニオンズ」
でもかかっていた曲だね。
9.Smoke Get In Your Eyes(The Platter)

10.Go Now!(The Moody Blues)

11.I Don’t Want To Set The World On Fire(The Ink Spots)

12.Suzanne(Leonard Cohen)

13.The Old Man`s Back Again(Scott Walker)

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