就活戦線異状あり(2010)
監督:瀧本智行
出演:忽那汐里、宇梶剛士etc
評価:30点
昨年、年末に
ブンブンが酷評し
その年のワースト6位に
輝いた「就職戦線異状なし
」
という作品を覚えているだろうか。
いくら、売り手市場のバブル時期の
就活を扱っていても、あそこまで
なめ腐った就活をしていて
内定を手にしているところを
見るとムカつきますね~
さて今回、TSUTAYA渋谷店を
ぶらついていたら似たような
タイトルの作品を見つけた。
「就活戦線異状あり」…
「脳男」や「グラスホッパー」の
瀧本智行が制作した30分にも
及ばない短編映画である。
危険な香りに身を任せて
借りてみたぞ…
「就活戦線異状あり」のあらすじ
大学のとある一室。
資本主義の闇を暴き、
労働者を解放しようと日々研究する
「プレカリアート研究会」が
密かに計画を企てていた。
それは、就職活動を頑張り、
役員面接まで上り詰め、
そこで企業の闇を暴き
暴れ散らそうという
考えだった。
超まじめなリーダー玲奈は
難なく役員面接にたどり着くが…
就職氷河期に作るか…?
まず、はっきり言おう。
こりゃ誰得なのだ?
公開当時、サブプライムローン問題
により就職氷河期が押し寄せ
大変な状況になっていたはず。
それなのに、ボンボンの子供が
ニセの就職活動をする時点で
どうかしています。
さらに、忽那汐里扮するリーダーが
頭おかしすぎて全くついて行けません。
ただただ、資本主義の悪いところを
見つけただただ怒鳴り、わめき
散らしているだけなのだ。
忽那汐里の株下げてどうするの
と思うぐらいうま味のない怪演を
している。
あまりに、どうしようもない
展開が続くから観るのやめようかと
思ったら、少しいいシーンがあった。
役員かっけ~
本作の数少ないいいところは、
面接シーンにある。
プレカリアート研究会の連中は
皆役員面接をするのだが、
逆質問や最後の一言
をしっかり答えているのだ。
企業を潰すために問題を指摘する
のではなく、「御社のここを変えたい」
と言えば、立ち振る舞いから100点なのに~
と羨ましがるほど面接のクオリティが高い。
そして、ここが最大の見所なのだが、
DQN女子大生の猛攻撃に、
役員がしどろもどろにならず、
非常にセンスの高い切り返しで
反撃するところに歩くなる。
女子大生「御社は利益を上げている
にも関わらずベトナムの子供たちの
賃金を上げてないじゃないですか!
どうなっているのですか?」
役員「企業は賃金のほかに
設備投資とかがかかるからそう簡単に
上げられないのだよ」
女子大生「ベトナムの人は、
米作りをやめてまで洋服を御社で
作らされているのですよ」
役員「君の着ているスーツや香水は
どこで作られているのかな?
そういった国で作られていることを
わかって使っているのかな?」
くぅ~この論破かっこええな~
宇梶剛士からにじみ出てくる
ポリシーが格好良くて格好良くて
たまりませんでした。
映画としては酷いのですが、
面接シーンと役員の切り返しを
観るだけでも就活生一見の
価値ある作品と言えよう。
逆質問や最後の一言の
作り方においては非常に
参考になりました。
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