フェンサー(THE FENCER)
監督:クラウス・ハロ
出演:マート・アヴァンディ、 ウルスラ・ラタセップetc
評価:80点
第88回アカデミー賞外国語映画賞もの
紹介その2。
今回は、フィンランド代表のフェンシング映画
「THE FENCER」を紹介します。
「Mother of Mine」、「ヤコブへの手紙」と
に選出された今注目株のフィンランド監督
クラウス・ハロがエストニアのフェンシングコーチ
であるエンデル・ネリスの壮絶な時代を描いた
伝記映画だ。
日本では、「京都ヒストリカ国際映画祭」で
上映されたぐらい、ネット検索しても
雀の涙ほどのブロガーが紹介している程度の
知名度低い作品であるが、これが非常に面白い。
TOHOシネマズシャンテか
ヒューマントラストシネマ有楽町に
是非とも上映して頂きたい作品でもある。
「フェンサー」のあらすじ
1950年代のエストニア。スターリン秘密警察から逃げているプロのフェンシング男エンデル・ネリスは、
片田舎の教師の職を見つける。
しかし待遇が悪く、あるはずのフェンシング部には誰も来ない有様だった。
しかし少女の助けを得、フェンシング部員が大量に
入ってくる。生徒はソ連占領により生まれた孤児達だ。
最初は、やる気のなかったエンデルだったがやがて
生徒と友情が生まれ、大きな大会出場に向けて
頑張るようになる。しかし、その大会にはスターリン秘密警察も
来るようで大会に出場することはエンデルが警察に逮捕される
ことでもあった…
エストニア映画が熱い!
一応、フィンランド映画となっているが
エストニアとの合作映画である。
エストニアと言えば、最近「クロワッサンで朝食を」や
「タンジェリン
」とレベルの高い作品を作る
今注目株の国である。それにドラマ面で安定のある
フィンランドが合作と聞いて期待度が高まる。
そして、案の定素晴らしい伝記映画が完成した。
本作はエストニアの伝説的フェンシングコーチ、
エンデル・ネリスの逃亡時代を、
スリリングに描いている。
スターリングラードからエストニアの片田舎に逃げてきた
彼。校長とかからは冷たくあしらわれる。
「もしかしたらすぐに捕まるかもしれない」と怯えながら
毎日を過ごす。校長との会話の嫌~な感じの演出が上手く、
ただのスポ根映画と思いきや「バレるかバレないかサスペンス」
のツボを抑えている。
それでもって、「コッホ先生と僕らの革命」みたいな
スポーツで友情を育む物語を展開するから、
心が洗い流されます。
ちっちゃい女の子が「先生、可哀想」と
広報活動し、20人ぐらいの生徒が
フェンシング部に集まる。
チャレンジする。最初、エンデルは
精神的にまいっていたせいもあり
冷たく教えるが、生徒の熱心に
慕う姿を見て勇気づけられ、
大会を目指す。
そして物語の特性上、
前半にバトルシーンを入れられなかった分、
大会でのバトルシーンがメチャクチャ熱い!
雪が解けるほどに格好いい!
特に注目すべきポイントは、明らかに
ゲームとして成り立たないであろう
小さな少女と大きな男の試合
(身長差40センチ以上あるだろう汗)。
どんな逆境でも食らいつく
少女の勇ましさに感動した。
それ故のラストにまた涙腺がゆるんだ。
まあ、「サウルの息子」が強すぎる為、
ノミネート止まりだとは思うが
是非とも日本で公開して欲しい作品でした(*^_^*)
11/27更新:邦題「こころに剣士を」で公開決定!
そんな「フェンサー」は東北新社配給で2016/12/24より
ヒューマントラストシネマ有楽町にて
公開が決まりました!
コメントを残す