ガールズ・ステップ
監督:川村泰祐
出演:小野花梨、石井杏奈、上原実矩、遊馬萌弥etc
評価:75点
9/12に公開するものの、動員が悪いせいか
足早にTOHOシネマズ日本橋から撤退した
不遇の作品「ガールズ・ステップ」。
しかし、油断していたらびっくりするであろう。
チャラい映画ではあるが、チョーしっかりした脚本
にシンパシーを生むキャラクター造形。
はっきり言って「面白い」!
しかし、この作品はマイルドヤンキーが集まりそうな
場所でしかウケない特殊性を持った作品でした…
エグザイル一族映画
っていうのも、これはそもそもEXILEムービーなのだ!主演も「ソロモンの偽証」で怪演した石井杏奈
が主役だが、彼女はe-girls出身だし、
主題歌のGENERATIONS from EXILE TRIBEの
「ALL FOR YOU」。
そして、予告編から絵面が「ださい」感
溢れており、「ださかっこいい」がわからない
東京人には厳しいものを感じる。
女子高生版「サイタマノラッパー」
しかし、見方を変えてみると非常に楽しめる。
実はこれ…「サイタマノラッパー」に近い作品なのだ!
ショボくて地味な主人公たちが一抹の夢を
追いかけて邁進する。
酷いダンスでも一所懸命踊れば、
観客もノッてくれるまさかの奇跡感!
いやー哀愁が「サイタマノラッパー」そのものですね~。
そう色眼鏡で見ると、この映画の良さが見えてくる。
まず、キャストが段々かわいく見えてくるのだ。
最初は正直不細工やな~(スミマセン。)と思うのだが、
段々DQNやカースト最下位というレッテルで見てしまう
彼女らが魅力的に見えてくる。
上原実矩演じるヤンキーが根が真面目で、
いい奴だと知ったときからかわいくてしょうがない。
美人やな~ってかフツーのマイルドヤンキーやん!
と思った。
そして、ダンスコーチを務める塚本高史の
チャラサ加減。どんなにJKたちから酷い仕打ちに
あってもチャラさを忘れない言動。
こういう人っていいな~とやけに感心してしまった。
強固な脚本
まあキャストも地味だし、チャラいし、ださいしで
空前の赤字をたたき出している模様のこの作品ですが、
実は脚本が上手いことを忘れてはならない。
5人の少女の悩みを均等に物語にちりばめる。
チャラいところはチャラく、シリアスなところは
シリアスにとメリハリがあるのだ。
特に面白いのが、スクールカースト描写。
石井杏奈演じる主人公は、
スクールカースト下位に落ちたり、孤独になるのを
嫌うため、無理してカースト・トップのチア部
に属し、ぱしりを全うしている。
そんな彼女が、カースト最下位だが楽しいダンス部
に属するか、カースト最高位だが過酷なチア部に
属すかで悶々とする描写が怖いほどに
過酷なスクールライフをリアルに表現している。
そして、この手のスポ根もの一番の肝。
「試合の結果をどう描くか」問題に
ついても絶妙な脚本で彼女のレベルに合った
終わらせ方をしている。
そう、この作品は決してあの巨人映画のように
粗悪な作品にはなっていないのだ。
ブンブンはTOHOシネマズ錦糸町で観たのだが、
後方座席で観ていたヤンキー少女たちにも
大ウケであったことを考えると、
やはり公開規模を地方のマイルドヤンキー
集まる場所に限定すべきであった。
TOHOシネマズ日本橋なんかで上映
すべきではなかったと感じた。
関東圏ではほとんどが10/2で打ち切りという凄惨な状況なり…
↑主題歌GENERATIONS from EXILE TRIBE「ALL FOR YOU」
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