“Ç”自宅でヴェネチア映画祭①「Baby Bump」

Baby Bump

Kuba Czekaj

監督:Kuba Czekaj
出演:Kacper Olszewski, Agnieszka Podsiadlik

評価:40点

ついに始まりましたね~ヴェネチア映画祭。
今まで、アカデミー賞やカンヌ映画祭ぐらいしか
熱心に研究しなかったブンブン、
今年はヴェネチア映画祭にもフォーカスを
あてて観ました。

先日紹介した、「FESTIVAL SCOPE」では
ヴェネチア映画祭以外の映画祭のインディーズ作品も
観ることが出来、年間費70ユーロで
色んな映画祭(東京国際映画祭もあるよ)の
作品が観放題になるそうです。
インディーズ系が日本で公開されるのは本当に
氷山の一角。5年後ぐらいに凄まじい監督に
なる人物を発掘するいいサイトなので、
ヴェネチア映画祭が終わったらブンブン
年間契約結ぼうかな~
ブンブンによるFESTIVAL SCOPE使い方

閑話休題、
今日から順次本年度ヴェネチア国際映画祭の
作品を紹介してきます。
第一回目はポーランド映画「Baby Bump」です。
※9/9(日本時間)まで公開中
監督は京都国際学生映画祭
「Don’t Be Afraid of the Dark Room」
「Twist&Blood」
の2作品連続グランプリを受賞している
Kuba Czekajだ。

Baby Bumpのあらすじ

11歳の少年ミッキー・ハウスが一皮むけるまでを
描いたファンタジー。
頭の中のお友達と築いたファンタジーから抜け出せず、
理不尽な現実と向かい合えないミッキー・ハウス
がファンタジーと向き合うことで大人になる
様子をミュージックビデオのようなタッチで描いている。

少年の脳内ビジュアル…わかる~

思春期に突入したての子どもって、
自分の性の急激な発達に適応できず
恥ずかしがったり、むしゃくしゃして周りに
反発してしまうものである。

また、小学校の時からの脳内ファンタジーを
捨てきれず、「だせえな~」と思いつつも
しがみついてしまう。そんな自分を恥ずかしく
思ったりする…この映画はまさに、
その心のモヤモヤを視覚化させた作品である。

ミュージックビデオを思わせる
クールな文字アートの弾幕、
二画面映像、アニメで繰り出される
現実と妄想が入り交じった不思議な世界。

一見、ミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズ
を思わせるポップでステキな映像に
突如、男のアソコ(無修正!!)が引きちぎれたり、
動物の首がちょんぱされる残虐映像が
ひょっこり表れ度肝を抜かれます。

まさに、思春期の子の葛藤から発生する
暴力性を効果的に映像化できていると
思う。映像に挿入されるメタファーが
これまた秀逸で詩的である。

ただし、ブンブンの点数が低いのは、
過剰すぎるテロップ」だ。

ミュージックビデオを意識しすぎて、
映画らしさを失ってしまった。
やたらとスタイリッシュな字幕
で説明させるくだり、
ゴダールのように文字アートに
統一性を持たせていたらまだ納得
なのだが、パワポでページごとに
やたらとフォントを変えまくって
いるようなちぐはぐ感が否めず、
観辛い作品となってしまった。

文字、特に日本のように漢字の
形から意味をにじませる技が
使えない英語表記を
使うなら多くても30分に1回
ぐらいにとどめると作品が
引き締まる。

グザヴィエ・ドランの「わたしはロランス」
では、大事な手紙を読むシーンを
強調するために字幕を使っていた。
重要な場面で使うことで、観客に
次の展開に対する興味も持たせることができる。

作品の作り方自体は良い意味でユニークで、
鬼才としてまだまだ伸びそうなので、
次世代のミシェル・ゴンドリーとして
Kuba Czekajは注目株だな~

↑監督の記者会見

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