香川照之の顔芸!
歌舞伎一家に生まれるものの、
俳優として活躍し、
半沢直樹で悪役・大和田を熱演、
最終回の迫真の顔芸が話題となり、
妖怪ウォッチのCMにまさかの出演を
果たす。そして、近年歌舞伎界に
進出し話題を集めている名優香川照之。
そんな彼が、中国映画に出演していたのはご存じだろうか?
「さらば復讐の狼たちよ」の監督・姜文(チアン・ウェン)
監督作で2000年のカンヌ映画祭でグランプリを
獲るものの、中国国内で一時期上映禁止になってしまった
「鬼が来た!」に主役ばりの出演を
果たしていたのだ!!
「妖怪ウォッチ2 真打」CM
鬼が来た!(鬼子來了)
いきなり、軍艦マーチをバックに日の丸が
掲げられ、「鬼子來了(鬼が来た)」という
タイトルが表示される挑発的な冒頭。
なんじゃこりゃと度肝を抜かれる。
ヘイトスピーチがこれから始まりそうな
いや~な予感が立ちこめていたのだが、
グランプリを獲った作品だけに
そんな酷いまねはしない。
すんごいものを魅せてくれる。
ある村の家を何者かがピストルでもって
襲撃する。無理矢理、押しつけられた
袋の中には日本人捕虜と通訳がごろりんちょ!
んで、その日本人を演じるのが香川照之だ!
香川照之は捕虜を恥と思い、
「殺せ殺せ!」とわめく、
んで通訳は死にたくないから
適当に翻訳しなおす。
上手く意思疎通が取れない為、
前半は村人が香川照之に名前を尋ね、
「俺を撃て!殺せ!勇気を出せよ!臆病者!」
と別のことを話しているのに、
「長い名前だな~」と適当に解釈する
笑っちゃイケない場面だが、
爆笑するシーンの連続である。
中立に暴力の歯車が動き出す…
前半だけを観ると、優しい中国人の恩を
仇で返す酷い日本人が描かれているが、
段々中立の立場を取り始めるところが非常に面白い。
舞台となる村は、日本軍の本拠地のすぐ近く、
日本人を匿っていることが彼らに
ばれたら皆殺しになるかもしれない。
かといって逃がしたら、この二人を
預けた謎の男に殺されるかも知れない。
こういうジレンマの中、
主人公はどんなに香川照之が暴れたり
裏切ったりしようとも優しく接する。
だが、村人は殺せ殺せと非協力的で
暴力的だ。ジレンマに陥ったときの
争いの描写に抜かりがない。
そして10~20分に一度訪れる修羅場が
まためちゃくちゃ怖く、
本当に「ひぇ!鬼が来た!」と思ってしまう訳。
衝撃のラスト
緊迫の心理戦が続く、
白黒映画だがクールさを強調しての
使い方ではなく、まるで記録映画を観ているような
リアリズムで進む暴力的な映像の数々。
そして、あまりに拍子抜けする軍艦マーチが
シニカルでたまらない。劇中何回流してるんだ!
と思うほど無限リピートっぷり!
それが、ラストに近づくにつれさらに
エスカレートしてカタルシスを魅せつつ
またそれを破壊していく。
香川照之の顔芸もキレッキレで狂気の沙汰じゃないw
観た人にしかわからない強烈なエンディングに
度肝を抜かれた。ヘイトスピーチ云々じゃない。
人間の鬼の側面を2時間半弱魅せられました。
2000年のパルムドールが「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で
グランプリがコレとかめっちゃ鬼畜やなと痛感した一日でしたw
この作品TSUTAYA渋谷店で
しかも、渋コレにもなっていないので
今旧作4本400円+税キャンペーンが
使えるのでカンヌ映画祭にあわせ
是非借りてみてはどうでしょうか?
「鬼が来た!」予告編
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