“Ç”手話だけの映画?「ザ・トライブ」を観る

ちょっといい事ありました。
なんと、アンジェにある
LES 400 COUPSって映画館
「大人は判ってくれない」の
仏題をそのまま館名にしていた
のだ!
自宅にDVDがあるだけに
嬉しいです。

さて、この2週間仏語レベルを
上げたブンブンは映画館の
回数券を買って観たぞ^o^
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10枚で52.50ユーロ。
学生料金が6ユーロなので、
一本分安くなるのだ(≧∇≦)

しかも、ここの映画館の
ラインナップが俺好みなので、
迷わず「買い」!
“Fidélité” s’il vous plaît!
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さて、回数券をゲットした
ブンブンのデビュー戦は
本年度カンヌ映画祭批評家週間
でグランプリを獲ったウクライナ
映画「THE TRIBE」だ。

批評家を唸らせるのも納得。
全編「手話」で構成される作品
なのだ。

会話がない映画、字幕がない
映画なら意外とよく作られる。
レッドフォード主演の
「オール・イズ・ロスト」
なんかそうだし、
そもそも、サイレント時代の
映画やシュルレアリスム作家
の作品には字幕がなかったり、
声がない。

だから盲点。
「手話」という言語を
使う作品を誰も考えたことが
なかった。

しかも、ハートウォーミング
ドラマではなかったのだ!

日本で公開するとしても、
間違いなくR18になるであろう
ハードコアバイオレンス映画なのだ。

開始20分で度肝をつかれた(汗
手話でよくあるギャングものを
やっているのだ。

へなちょこな少年が寄宿舎に入る。
案の定、新参者は古株にフルボッコ
される。

しかし、あることをきっかけに
古株に認められ、
麻薬ディーラー、カーセックスの
仲介業をやる…
もちろん、女を手に入れ
脱童貞もする…

喧嘩もライバルを締め上げるのも
無音。めっちゃ静か。
しかも、手話を習ってない
僕は目の前の人がこれから
何をするか予想できない。
ここまで奇を衒う作品
はなかなか観られんぞ!

しかも、唐突にキツイ
バイオレンスが入るから
映画館で悲鳴を上げて
しまった。

ラスト20分は多分、
途中退場者が出てもおかしくない
ので迂闊に観てはいけない
トラウマ映画と言えよう。

でも、何故こんな作品を
作ったのだろうか?
考えていくうちに、
モラルの問題が浮上した。

小学校の時、
多くの人が障害者についての
労わりを習ったであろう。

障害者=憐れむ者という
認知が当事者を深く
知る妨げになっている。
人々はそういう人を
カテゴライズして、
避ける、あるいは某何時間
テレビのように見世物に
する。

恐らく今回の試みは、
耳の聞こえない人、
話せない人がいかに
コミュニケーションを
とるのか?

憐れむ者としての側面以外も
知ってもらう挑戦だったと
言えよう。
エグさを魅せることで、
無意識の悪に気づかせる。
非常に陰惨な作品だが
そう考えると神作だと言える。
THE TRIBE予告編

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