SF映画

2021映画

『How It Ends』現実が最悪な終わり方をしているなら虚構は…

世界が日に日に終わりに近づきつつある。それも、よくあるディザスター映画のように強烈な一撃で世界は終わるのではなく、ヌルッと死が近づき、国が白旗をあげているような状態。まさしく、アベル・フェラーラ『4:44 地球最期の日』のような終末を迎えている。映画ももはや現実が虚構を超えてしまっている。では、そんな世界に対する正しいディザスター映画はなんだろうか?虚構で人々の心を癒す世界とはどういったものなのだろうか?新型コロナウイルスがまだ少しも分析されておらず国際的に大きく混乱していた2020年の夏に撮影された『How It Ends』は私に鎮痛剤としての虚構を魅せてくれました。

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【ラヴ・ディアス】『停止/THE HALT』この時、誰も知らなかった。パンデミックによる虚無の時が延々と続く世界が来ることに

シネフィル向けサブスクリプションサービスMUBIにおいて日本は冷遇されがちだ。もちろん、権利の関係もありますが、ケリー・ライカートの『First Cow』などといった目玉作品は大抵日本配信されません。海外のMUBIを覗くと、『ファイト・クラブ』のようなメジャー作品もあるのですが、こうした作品もとことん除外されるので、日本版MUBIは謎のスリランカ映画やレバノン映画が立ち並ぶエクストリームなサービスとなっている。そんなMUBIですがカンヌ国際映画祭特集の一環としてラヴ・ディアスの4時間越え作品『停止』が配信されました。日本では、数年前の東京国際映画祭で上映されたのですが、平日だった為、サラリーマンである私は観に行くことができませんでした。最近、イメージフォーラムがこの手の超長尺映画を果敢に上映してくれるのですが、ラヴ・ディアスに至ってはハードルが高過ぎて『立ち去った女』以外はまともに公開されていない。そしてラヴ・ディアス作品はMUBIが配信しなかった場合、観賞難易度が一気に上がる。というわけでMUBIにやってきた時、とても嬉しかった。