【クロアチア映画】『H-8…』クロアチアのうわっ、前から車が!!
マーティン・スコセッシ映画のような、あるいはポール・トーマス・アンダーソン『マグノリア』のような饒舌な語りにまず圧倒される。今やアーロン・ソーキンの爆速脚本術によって、普通にやったら3、4時間かかる内容を2時間に圧縮する技法が確立され、大衆映画でもよく使われる。日本でもアニメでよく爆速饒舌な台詞回しで観客の心を揺さぶる手法が使われる。
クロアチアでは今から半世紀以上も前に既に究極系が出来上がっていた。まず、事件のあらすじが語られる。子連れのトラック運転手とバスの動きが具体的な時間、状況を緻密に積み上げる。ニュース映像に思える具体的な台詞回しはやがてスポーツ実況のような熱気を持ち、早回しで提示される雨天に疾走する二つの車をカットを交差させ激突させる。