ギリシャ映画

2021映画

『MISS VIOLENCE』ギリシャの奇妙な波

2000年代後半からギリシャで同時多発的に生み出された、ミニマムで不穏な空気に政治や社会問題を封じ込めた作品群を海外の批評家はGreek Weird Waveと呼んでいる。日本ではヨルゴス・ランティモスの作品や『PITY ある不幸な男』がその流れにあると捉えてもらえればイメージしやすいだろう。

今回は国際的にGreek Weird Waveが注目されるきっかけの一つとなった『MISS VIOLENCE』を観賞しました。本作は、第70回ヴェネツィア国際映画祭にて監督賞(アレクサンドロス・アブラナス)と男優賞(テミス・パヌ)を受賞しました。日本ではほとんど紹介されることのなかった作品ですが、ヨルゴス・ランティモス映画好き必観の作品に仕上がっていました。