『ヨーロッパ2005年、10月27日』記憶の場

ヨーロッパ2005年、10月27日(2006)
Europa 2005 27 octobre

監督:ストローブ=ユイレ

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ストローブ=ユイレ短編を観た。

『ヨーロッパ2005年、10月27日』あらすじ

ストローブ=ユイレが初めてDVを用いたシネトラクト。イタリア国営放送の委嘱により2006年春に撮られた。警察に追われ変電所に隠れていた15歳と17歳の移民少年が感電死したクリシー=ス=ボワの事故現場を撮影する。この事故が各地の暴動のきっかけとなった。

記憶の場

とある場を2カットで描く2分程度パターンを5度繰り返す。マイケル・スノウ『SSHTOORRTY』に近いものを感じるが、本作は記憶の場としての反復を意識しているように見える。

移民労働者による暴動の最中、変電所に逃げ込み感電死した事件現場を撮る。壁には「あんたの人生をリスクにさらすな」と落書きがされている。映画は犬の遠吠えしかない空間を捉える。事件は終わった。風化しそうなほど平和が訪れたが、事件があった過去は変わらない。悲惨な歴史を歴史の中から溢れないようにする証。それを想起する運動、そして祈り。ピエール・ノラ「記憶の場」の理論が10分に圧縮されたような手触りを抱いた。