どたんば(1957)
監督:内田吐夢
出演:江原真二郎、中村雅子、波島進、岡田英次、志村喬etc
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
U-NEXTで内田吐夢『どたんば』があったので観た。
『どたんば』あらすじ
--美濃平野に散在する、櫓のついた奇妙な建物。--亜炭発掘場である。御蒿町の東和炭鉱もその一つだ。最近景気はよかった。が、修繕しいしいやっと安全を保っている、気息エンエンのボロ炭鉱に変りはなかった。梅雨--雨は小やみなく降り続いた。今日も、ミチの操るウィンチのゲージに乗って人々は縦坑を降りて行った。それに代って炭箱が昇ってきた時、突然周囲の木枠の桶が裂け、水がすさまじい勢で迸り始めた。土砂が怖しい鳴動と共に落下し、水は激しく本坑道へ流れこんだ。切羽にいた五人が逃げ場を失い生埋めになった。暗黒の切羽にアセチレンランプが細々と光を投げかけた。五人の中の最年長者は伴野、今まで二度も落盤にあったことがある。あとの四人のうち野田には麻疹の子供がいた。石垣は農業の片手間に働いていた。油井は坐掘りの係だった。そうして百姓の次男でミチと幼友達の山口は兄と喧嘩して初めて鉱内に入ったのだった。
地獄の英雄と比較して
本作は炭坑に生き埋めとなった者たちとそれを救助しようとする者の関係を扱った作品である。類似作品にビリー・ワイルダー『地獄の英雄』があり、それと比較すると興味深い。『地獄の英雄』は極めてアメリカらしい作品で、生き埋め事故を金になるスペクタクルと捉え、当事者の知らぬところで金稼ぎの道具にされてしまう様が描かれていた。一方で本作は極限状態での差別を扱っている。恐らく1923年の関東大震災朝鮮人虐殺事件を視野にいれているのであろう。事故の予兆となる不穏なクローズアップから始まり、坑内が濁流で覆われる事故が発生する。炭坑の内側/外側でチームワークが発揮されるのだが、焦りや苛立ち起因の心の余裕のなさから朝鮮人に対する差別が始まる。この差別によって協力してくれた朝鮮人は手を引き、困難な状態となるのだ。道徳的な物語として普遍的価値のある一本であった。











