両親(ふたり)が決めたこと(2024)
Polvo serán
監督:カルロス・マルセット
出演:アンヘラ・モリーナ、アルフレード・カストロ、ニカ・アルミラル・バテット、パトリシア・バルガロ、アルバン・プラドetc
評価:60テン点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
2026年2月6日(金)よりシネマート新宿ほかにて公開の『両親(ふたり)が決めたこと』を試写にて観させていただいたのでレビューを書いていく。
『両親(ふたり)が決めたこと』あらすじ
高齢夫婦のどちらかが終末期に安楽死するとき、そのパートナーが健康であってもともに安楽死する「デュオ安楽死」を題材にした家族ドラマ。ヨーロッパで急増するデュオ安楽死を決めた両親と、その子どもたちの心の機微を、ユーモアを交えながら温かく描き出す。
スペイン・バルセロナで暮らす80歳の舞台女優クラウディアは、末期がんにおかされている。がんは脳にまで転移し、錯乱や半身麻痺、さらに自我の喪失も近づくなか、彼女は安楽死を選択する。子育てよりも舞台優先で生きてきたクラウディアを支え続け、今なお愛してやまない夫フラビオも彼女とともにスイスで安楽死することを決意し、3人の子どもたちに打ち明ける。子どもたちは戸惑い反発するが父の意志は固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、ついに最後の旅へと出発するときがやって来る。
「欲望のあいまいな対象」「家へ帰ろう」のアンヘラ・モリーナが妻クラウディア、「トニー・マネロ」「伯爵」のアルフレド・カストロが夫フラビオを演じた。2024年・第49回トロント国際映画祭で、新たな挑戦作を評価する「プラットフォーム部門」の作品賞を受賞。
走馬灯のような祝祭
安楽死をテーマにした作品といえばフランソワ・オゾン『すべてうまくいきますように』が記憶に新しい。死を前に人間と向き合う会話劇のイメージが強いのだが、『両親(ふたり)が決めたこと』はまさかのミュージカルである。末期がんに冒された舞台女優クラウディアが安楽死を選択し、夫のフラビオもまた彼女と共に安楽死すると宣言したことから家族が困惑しつつも受け入れていくまでを描いている。映画は虚実曖昧な形で舞台的演出を取り入れており、突然ミュージカルに発展する。そのアプローチはボブ・フォッシー『オール・ザット・ジャズ』を彷彿させるものであり、舞台生活の有終の美を飾ろうとする走馬灯として描かれている。個人的に、このアプローチに挿入されるバークレーショットに惹き込まれた。オーソドックスな『四十二番街』的バークレーショットで円陣マスゲームを捉えていくのだが、バークレーが意識していた平面的立体を再現したような肉体のうねりが表現されており、これが走馬灯のような虚実曖昧さの不気味と快感の輪郭を形成していて、人生の淵に立つものの複雑な心理をよく描けていたと感じた。
日本公開は2026年2月6日(金)よりシネマート新宿ほかにて。











