『AKIRA』久しぶりに観直してみたが……

AKIRA(1988)

監督:大友克洋
出演:岩田光央、佐々木望、小山茉美etc

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

今やあらゆるアニメや映画で金田が盗難バイクを横滑りさせるアクションが擦り倒されている『AKIRA』。最近では、マイメロのアニメでこのパロディが行われていて驚かされる。『AKIRA』はアニメをほとんど観ない父が唯一好んでいる作品であり、家に漫画版や映画のコミカライズ版が置いてあるぐらい身近な存在だった。当然ながら小学生か中学生頃に魅せられたのだが、当時はあまりの気持ち悪さについていけなかった。

大人になった今、再鑑賞するタイミングだと思って観たのだが、正直過大評価な作品に思えた。

『AKIRA』あらすじ

漫画家の大友克洋が1982年から「ヤングマガジン」で連載した同名コミックを、大友自らが監督を務めて1988年にアニメーション映画化。近未来の東京を舞台に超能力者と暴走族の少年たちや軍隊が繰り広げる戦いを描き、製作期間3年、総製作費10億円という当時としては破格の歳月や労力をつぎ込んで生み出された濃密でハイクオリティなアニメーションが国内外に多くの影響を与えた伝説的な一作。1988年7月、関東に新型爆弾が落とされて第3次世界大戦が勃発。それから31年が過ぎた2019年、東京湾上に築かれた新たな都市=ネオ東京は翌年にオリンピック開催を控え、繁栄を取り戻しつつあった。ある夜、職合訓練校に通う不良少年の金田と仲間の鉄雄らは、閉鎖された高速道路でバイクを走らせていたが、そこで26号と呼ばれる奇妙な男と遭遇する。その男は、軍と対立するゲリラによって、「アキラ」という軍事機密と間違えてラボから連れ出され、軍に追われていた。そこへ現れた軍によって、26号と接触して負傷した鉄雄が連れ去られてしまい……。製作から30年以上を経た2020年、4Kリマスターと音楽監督の山城祥二指揮のもとで行われた5.1ch音源のリミックスを施した「AKIRA 4Kリマスターセット」が20年4月23日にブルーレイ発売。それを受けて同年4月3日から全国のIMAXシアターで劇場公開。同年6月5日から通常の劇場でも4Kリマスター版が公開、12月4日からドルビーシネマで公開。

映画.comより引用

久しぶりに観直してみたが……

まず、改めて私は日本のカルトアニメ映画だと今敏派だと認識した。今敏作品の場合、SFという形而上を通じて人間心理の葛藤それに伴う邪悪な社会構造を掬い上げている。一方で『AKIRA』の場合、作画こそ今観ても色褪せることのない迫力がある一方で、人間が描き切れていないような気がしてならなかった。

不良少年の金田と鉄雄は暴走族として夜道を駆けている中、奇妙な男とエンカウント。それをきっかけに二人は軍によって引き裂かれる。混乱の中、再び金田は鉄雄と出会うのだが彼は覚醒しようとしていたという話なのだが、正直、病棟や小さい地区レベルの内容を壮大な国家レベルの話でやろうとしているチグハグさがある。もちろん、セカイ系というジャンルはあるのだが、あれは社会が希薄に見える中で個の危機と世界の危機が結びついてしまう様が重要だと思っている。まさしく、子どもにとって社会は遠いような存在であり、だが自分たちの拙い短絡的な感情が世界を動かしてしまうこともあるが描けているかどうかなのである。これは、ゆとり世代的発想なのかもしれない。ただ、それにしたってあれだけキャラクターがいれども、明確にヒト対ヒトの葛藤を交えた対立をしているのが鐘だと鉄雄に限られているのはあまりにも勿体ないといえる。

まあ、そういうのを観たければ人間臭さに振り切ってチューニングされた「モブサイコ100」を観れば良いだけなのだが。