リトアニアへの旅の追憶(1972)
REMINISCENCES OF A JOURNEY TO LITHUANIA
監督:ジョナス・メカス
出演:ジョナス・メカス、ピーター・クーベルカ、ヘルマン・ニッチ、アネット・マイケルソン、ケン・ジェイコブス、ペトラス・メカスetc
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
北千住ブルースタジオでジョナス・メカス『リトアニアへの旅の追憶』が上映されているということで夜勤前に行ってみた。
『リトアニアへの旅の追憶』あらすじ
1949年、故郷からナチスに追われアメリカに亡命したジョナス・メカス。言葉も通じないブルックリンで一台の16ミリ・カメラを手にしたメカスは日々の生活を日記のように撮り始めます。27年ぶりに訪れた故郷リトアニアでの母、友人たちとの再会、そして風景。メカスは自在なカメラワークとたおやかな感受性でそれらの全てをみずみずしい映像と言葉で一つの作品にまとめ上げました。この感動的な映像叙事詩はメカス自身の代表作であるばかりでなく、アメリカ・インディペンデント映画の不朽の名作として広く愛され続けています。
なお、この映画に描かれている彼の出身の村セミニシュケイは、いわば彼自身の追憶の中の存在というべきものであり、メカスのカメラは、彼の少年時代の痕跡や思い出に向けられているが、現在、セミニシュケイは、廃村あつかいとなり、地図上にはなく、文字通り追憶の中の存在となってしまったといいます。
※イメージフォーラムより引用
記憶とイメージ
実験映画はある程度追っていて、自分なりの理論は立てているのだが、ジョナス・メカスはあまりちゃんと観ていなかったので劇場で向き合ってみた。なるほど、これはカルト的人気を博すわけである。
本作は3部構成で描かれる日記映画である。アメリカに亡命したジョナス・メカス。言葉もわからずブルックリンの移民街に身を投じた記憶が撮られる第一部。故郷リトアニアに帰郷した際の記録が収められた第二部。そして、ハンブルク郊外で戦時中、強制労働収容所にいた頃を回想する第三部から構成されている。
ジョナス・メカスは反復の装置である映画と記憶における反復性を見事に結びつけている。映像と音は乖離と同期を繰り返す。映像は、手ブレと細かい編集によりリズムを生み出し、連続的時間が流れる現実から離れた離散的、非ユークリッド的空間を形成している。
我々が過去へ向かう時、現実に流れる時間は五感それぞれのレイヤーに分割され、自己の関心を基に再度結合されていく。
日記は物語とは異なり、瞬間的感情を記述していくアクションであり、純粋な統合された感情が剥き出しとなる。ジョナス・メカス監督は、映画というイメージによって日記を積分し、心理に広がる形而上の世界を具象化させたのである。











