Policeman(2011)
監督:ナダヴ・ラピド
出演:Yiftach Klein,Yaara Pelzig,Michael Aloni
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
ナダヴ・ラピド『Yes』と向き合うために、彼の長編デビュー作『Policeman』を観た。ナダヴ・ラピド監督作は露悪的な暴力描写、ミソジニー描写と独特なカメラワークを通じてイスラエル社会を捉えようとする映画監督であり、個人的には苦手な監督である。しかし、監督作を観続けることでナダヴ・ラピド監督が何をやろうとしているのかが見えてくる。今回『Policeman』を観て、明確な意図が見えてきたように思えた。
『Policeman』あらすじ
Yaron is one of an elite group of police officers working in an anti-terrorist unit in the Israeli police force. He and his fellow officers are the ultimate defence against the “Arab enemy.” However, an encounter with a radical, violent group turns his life upside down.
訳:ヤロンは、イスラエル警察の対テロ部隊に所属するエリート警察官の一人です。彼と同僚の警察官たちは、「アラブの敵」に対する究極の防衛を担っています。しかし、過激派で暴力的な集団との遭遇が、彼の人生を一変させます。
※MUBIより引用
イスラエル社会のマチズモについて
本作は大きく分けて2つのパートから構成されている。まず、妻の出産を控える警察官の日常が描かれている。男同士自転車で走り、己の強さを確認する。仕事ではパレスチナ人被拘禁者の殺害に関する捜査を行っている。家では、出産を控えた妻のケアに努めている。だが、この時の妻の触れ方がどこかケアというよりも性的肉体関係の側面が強く、主従関係を意識させられる。男社会であることが強調される。後半は地元の大物実業家の誘拐を企てる若い革命家集団と警察との攻防になる。ここでの宣材写真にもなっている拡声器を持った女性が連呼して叫ぶ言葉と凄惨な顛末がイスラエルにおける政治と男女の関係性を結び付ける機能を果たしている。この映画を踏まえると、『アヘドの膝』がやろうとしていることが見えてくるのである。













