【第38回東京国際映画祭】『蜘蛛女のキス』ミュージカル『蜘蛛女のキス』

蜘蛛女のキス(2025)
Kiss of the Spider Woman

監督:ビル・コンドン
出演:ディエゴ・ルナ、トナティウ、ジェニファー・ロペス、ブルーノ・ビチルetc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第38回東京国際映画祭で『蜘蛛女のキス』が上映された。てっきりヘクトール・バベンコの名作のリストア版かと思っていたらミュージカルリメイクらしき、実写版『美女と野獣』のビル・コンドンがメガホンを取っていた。確かにミュージカルとして「蜘蛛女のキス」は上演されたことがあるが、いまいちミュージカルになるようなイメージが結びつかない。不安を抱えて観たのだが、まあまあ良かった。

『蜘蛛女のキス』あらすじ

ヘクトール・バベンコによって1986年に映画化されたアルゼンチンの文豪マヌエル・プイグの小説、そしてその小説をもとにテレンス・マクナリーが翻案したブロードウェイ・ミュージカルの双方を原作として、『ドリームガールズ』(06)のビル・コンドンが監督した作品。軍事政権下のアルゼンチンを舞台に、刑務所の同室に収監された政治犯バレンティンと、わいせつ罪で有罪となったモリーナの奇妙な関係を描く。モリーナが憧れる銀幕の歌姫ルナの舞台劇が華麗なミュージカル・シーンとして展開され、見る者を圧倒する。バレンティン役のディエゴ・ルナ、ルナ役のジェニファー・ロペスに加え、モリーナ役を演じたトナティウが強烈な印象を残す。サンダンス映画祭で上映された。

※第38回東京国際映画祭より引用

ミュージカル『蜘蛛女のキス』

要は政治的に牢屋へぶち込まれた同性愛者が本心を隠すように映画というフィクションを通じ想いを伝える話なのだが、牢屋との対比で映画内世界を豪華絢爛クラシカルミュージカルにさせている。詩(MUSIC)を通じ内なる葛藤を語ろうとするアプローチとしてのミュージカルに惹きこまれた。

しかし、ミュージカルパートになると物語が停滞してしまうのは少し残念であった。ただ、これは流石に日本公開されるであろう。安定感ある作品であった。