春の木(2025)
原題:春树
英題:Mother Tongue
監督:チャン・リュル
出演:バイ・バイホー、ワン・チュアンジュン、リウ・ダンetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第38回東京国際映画祭にて最優秀監督賞と男優賞(ワン・チュアンジュン)を受賞したチャン・リュル『春の木』を観た。
『春の木』あらすじ
『キムチを売る女』(05)、『柳川』(21)などで知られ、中国と韓国で活躍するチャン・リュル(中国語読みではチャン・リュー)が中国で撮影した最新作。成功することができなかった女優が四川省の故郷に戻り、その挫折から立ち直ろうとする姿が描かれる。主人公が故郷を離れているうちに地元の方言を話せなくなってしまっていることが、ドラマ上の重要な要素となっている。かつて多くの映画を製作してきた四川峨眉撮影所の古いスタジオが取り壊される前の、最後の姿がカメラに収められている。主演は『モンスター・ハント(原題:捉妖記)』シリーズで知られるバイ・バイホー。中国第5世代を代表する監督で、現在はプロデューサーとして活躍しているホアン・ジェンシンも出演している。
※第38回東京国際映画祭サイトより引用
開空間に、心、揺蕩う
カンヌ女優を目指していた者は挫折し、故郷へと戻る。パルム・ドール団地というハリボテが彼女の心に悶々としたものを与える。同じ中国語であるが、方言が混じってしまっているから大女優になれなかったのか。そういった方言と標準語との関係を意識しながら他者と関係を繋いでいく。
本作は極めて文学的内容ではあるのだが、廃墟と開かれる扉を用いて人間の心の中に入り、親密さが生まれ、その中で現実は変わらないけれど少しだけ前進するリアルな人間造形を紡ぎ出している。連日の映画祭ライフで疲れが来てしまったのか、催眠的に感じてしまい、またネコ目線のショットが鼻についたこともありそこまでノレなかった作品であはあるが、超絶技巧の作品だとは思う。












