『ブレイブ』ジョニー・デップ黒歴史の監督1作目

ブレイブ(1997)
THE BRAVE

監督:ジョニー・デップ
出演:ジョニー・デップ、マーロン・ブランド、エルピディア・カリーロ、マーシャル・ベルetc

評価:75点


おはようございます、チェ・ブンブンです。

先日、全興連ニュースを読む配信をしていたら、ロングライド配給でジョニー・デップ監督作『Modì, Three Days on the Wing of Madness』が公開されることを知った。本作はエコール・ド・パリのアメデオ・モディリアーニを描いた伝記映画となっており、ジョニー・デップが映画化することに意外性を帯びている。実はジョニー・デップは過去にも映画監督として作品を発表しており、1997年にカンヌ国際映画祭でゲーリー・オールドマンの『ニル・バイ・マウス』と共にコンペティション部門へ『ブレイブ』が選出されている。しかし、本作はジョニー・デップにとって黒歴史となっているためかアメリカではまともに公開されておらず忘れ去られた映画になっているらしい。タイトルこそ知っていたものの未観だったため、メルカリでDVDを落として観たのだが、意外と悪くない作品であった。

『ブレイブ』あらすじ

家族に金を残すため、身を捨てる覚悟を決めたネイティヴ・アメリカンの男の最期の日々を描いたドラマ。監督・主演は「エド・ウッド」「デッドマン」などで活躍する俳優ジョニー・デップで、彼の監督デビュー作。脚本はグレゴリー・マクドナルドの原作を基に、デップと彼の実兄D・P・デップ、ポール・マクガドンが共同で執筆。製作はチャールズ・エヴァンス・Jr.とキャロル・ケンプ。製作総指揮は「クラッシュ」のジェレミー・トーマス。音楽はデップとは「クライ・ベイビー」「デッドマン」で共演したロック・アーティストのイギー・ポップがあたり、小さな役で姿も見せる。撮影はデップとは「アリゾナ・ドリーム」で組んだ「アンダーグラウンド」のヴィルコ・フィラチ。美術は同じく「アリゾナ・ドリーム」のミリェン・クレカ・クリャコヴィッチ。編集はパスケール・ブーバ。共演はデップと「ドンファン」で共演し、先住民問題の先駆者でもあるマーロン・ブランドが特別出演で姿を見せるほか、「ミ・ファミリア」のエルピディア・カリロ、「ロスト・ハイウェイ」のマーシャル・ベル、「依頼人」のフレデリック・フォレスト、「シュガー・ヒル」のクラレンス・ウィリアムス3世、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のフロイド・レッドクロウ・ウェスタマンほか。

映画.comより引用

ジョニー・デップ黒歴史の監督1作目

『ブレイブ』は『パイレーツ・オブ・カリビアン』『チャーリーとチョコレート工場』などでコスプレ俳優色を強め、役に人間を食われてしまうジョニー・デップ自身を予言したような作品のように思える。家族のため、5万ドルと引き換えにスナッフ・フィルムの生贄になることを選んだ男。ネイティブ・アメリカンとして定職につけず、貧困問題を抱えていた彼が家族やコミュニティにできる唯一のこととして悪魔に魂を売り渡してしまう。突然羽振りが良くなった彼を怪しむ周囲だが、彼は内に秘密を隠し続けようとする。多幸感ある空間の中に孤独を漂わせる手法が取られており、ジョニー・デップの俳優のイメージで映画を観ると意外な趣を抱く。しかし、彼だからこそ撮れた映画であるのは明白であり、観ていて胸が締め付けられるものがあった。