ガザにてハサンと(2025)
With Hasan in Gaza
監督:カマール・アルジャアファリー
評価:65点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
山形国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門にて上映となる『ガザにてハサンと』を観た。自分の勘違いで以前本作だと思って観たのが『パラジャーノフ、ゆうべはどんな夢を見た?』だという失態を冒したわけだが(なんか変だなと思いつつも、そういう映画だと思って受容していた)、気を取り直して鑑賞した。
『ガザにてハサンと』あらすじ
ある日見つけたビデオカメラ用の古い録画テープ。再生すると、ガザを旅する自分自身の姿があった。映画作家は、テープの表面に記された〈ハサン、ガザ、2001〉を頼りに記憶を辿り、その旅が、若き日に理不尽な理由で刑務所に収監された折の同房者を探す旅だったことを思い出す。1989年の監房の記憶と2001年のガザの記憶。二度のインティファーダに連なる過去の記憶がガザのいまに接続され、終わることのない痛みを呼び覚ます。不条理を問い歴史の忘却に抗うための思索の旅。
ガザの廃墟と路地にて
パレスチナ人の監督カマール・アルジャアファリーは2000年代に長編デビュー作としてガザを取材したドキュメンタリーを制作しようとしたが頓挫する。当時は1989年に投獄された男を捜索する目的で撮影された。あれから20年が経ち、当時のテープが見つかったので編集する。20年前の時点で破壊され、瓦礫の山となったガザの痛ましき惨状が映し出される。その中でも市民はたくましく生きる。特に子どもたちは元気に、好奇心旺盛でカメラに群がりあれこれ語る。そんなカメラはシェルターのように機能する路地裏へと入る。影へ影へと追いやられていくパレスチナの人々を象徴するように、明るい浜辺から路地へと移っていくのである。手軽にアーカイブ映像を編集できるようになった時代だからこそ、時間の芸術である映画の特性を活用し、昔から今へと結びつけている作品とみた。