『映画!たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?』子ども向けコンテンツあるある言いたい

映画!たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?(2008)

監督:志村錠児
出演:釘宮理恵、儀武ゆう子、柚木涼香、矢口アサミ、こおろぎさとみ、竹内順子、阪口大助etc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

最近、「たまごっちのプチプチおみせっち おまちど〜さま!」の配信動画をよく観る。「たまごっちのプチプチおみせっち」シリーズは小学生時代に妹と一緒に遊んだことがあり、かわいいヴィジュアルに反して吉野家ゲームレベルのブラック企業感と辛辣な客からのコメントが癖になる神ゲーであり、当時まるっちに「もうこないからねー」と言われて数日ゲームがプレイできなくなる、擬似的な鬱体験をした。新作では、高画質になったまるっちの辛辣な苦言はもちろん、まめっちが絶妙な嫌味で返すラップ屋、みみっちの足が異様な変化を遂げるジムなど狂気レベルが上がっている。Nintendo Switch 2持っていないので、妹が帰省したタイミングで遊ばせてもらおうと思うのだが、無性にたまごっちの映画が観たくなった。

『映画!たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?』あらすじ

大ヒットゲーム“たまごっち”の映画化第2弾。たまごっち星のまめっちたちが通うたまごっちスクールに、空飛ぶ移動図書館がやってくる。その図書館では、おとぎっち兄弟が描く“ふしぎな絵本”の中に入り、物語の主人公になれるという。まめっちはそこで感じたハッピーな気持ちをヒントに、街中の幸せを集めて落ち込んでいるひとに届ける“ハピハピっち”を発明するが……。

映画.comより引用

子ども向けコンテンツあるある言いたい

ゼロ年代、ハム太郎やどうぶつの森、あたしンちなど意外なキャラクターコンテンツがアニメ映画化された。そのラインナップにたまごっちがあるのだ。リアルタイムで映画館鑑賞しているのだが、今観たらどうなんだろうとメルカリでDVDを仕入れた。まずは、『映画! たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?』を観てみた。

個人的に子ども向けアニメは積極的に観るようにしているのだが、この手のコンテンツにありがちな展開が存在する。それは「絵本幽閉もの」である。キャラクターたちがひょんなことから絵本の中に入って冒険するといった内容はアンパンマン、すみっコぐらし、マイメロディにNHKで放送されていたから一応子ども向け扱いでよいだろう「カードキャプターさくら」と多くのコンテンツで扱われる。

これは読書という行為が形而上の冒険を通じて実生活に影響を及ぼす人間の普遍的活動のメカニズムを伝える装置、現実と虚構を区別しながらも融和していく必要がある様を伝える役割が子ども向けコンテンツに与えられているせいなのだろうか。大抵1回はこのネタが使われる。

本作の場合、興味深いのはある種宗教的な形でハッピーを拡散していくまめっちたちに対して「冷笑」のスタンスを取るキャラクターききっちを配置しているところにある。ききっちは典型的な中学・高校時代の陰キャに近いような、輪の中心から離れて斜に構えた厭な存在ではあるものの、まめっちサイドの「ハッピーの押し売り」を浮き彫りにさせており、社会人になってから強く求められる適切な距離感の予習として上手くまとめている。

一方で、すみっコぐらしの映画と比べるとキャラクター個々をコントロールできず群として丸めてしまっている感、ハッピーの押し売りと絵本内での惨事との結びつきが弱いように思えた。
※映画.comより画像引用