窓(1949)
THE WINDOW
監督:テッド・テズラフ
出演:ボビー・ドリスコール、アーサー・ケネディ、バーバラ・ヘイル、ポール・スチュワート、ルース・ローマンetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
プライム・ビデオでリチャード・フライシャー『その女を殺せ』と共に『窓』を観たのだが、これがまさかの「子どもめっちゃ怪しむ」映画であった。
『窓』あらすじ
ニューヨークのイースト・サイド、朽ちかけたアパートの5階に住むウッドリイ一家は夫婦と長男トミイの3人で貧しいながらも平和な生活を送っている。10歳のトミイは日頃隣の空家になった半壊れのアパートを泥棒ごっこの遊び場にして、空想の殺人や強盗やインディアン襲撃の話を真実のようにふれ歩き、しょっ中両親を悩ませていた。今日もアパートから引越すとふれ歩いて両親の叱言をくったが、その夜、夏の夜のむし暑さに寝つかれない少年は、非常梯子にはい出て1階上のケラーソンの窓際にはい上ると寝こんでしまう。真夜中、窓の隙間から洩れる光に眼を覚した少年は、ケラーソン夫妻が1人の男を鋏で刺し殺して金を奪うのを見た。驚いた少年は自分の室にとびこんで母親をゆり起こし、殺人を訴えたが、彼女は又例の悪戯だと思い、悪夢だと簡単に片づけて相手にしない。自分のベッドに枕が無いのに気付くと、ケラーソンの窓際に忘れて来たことを思い出し、彼はこわごわ枕を取りに行って室内をのぞいたが誰も居なかった。
※映画.comより引用
誰もボクのことを信じてくれないんだが
悪ガキ少年が夜、上の階の窓を覗き込む。すると夫婦と誰かが揉めている。そしてナイフでグサリ刺されて死亡する。そのことを母に話すと「嘘ばっかり」と全く相手にしてくれない。警察に駆け込むも、まあ子どもの悪戯だからと形式的に調査される。少年だけが事件に怯えている。
本作は覗き見のギミックとして「隙間」が多用される。殺人現場の場面では、障害物があり、わずかな隙間から、倒れる者、血、ナイフを目撃し、殺人と推察する場面となっている。ただ見るだけではなく、敵から見られるギミックもあり、ハンガーを使って鍵を取ろうとする場面では、その一部始終を敵がガン見しており、そっと鍵をハンガーにひっかけてあげるとてつもなく怖い場面となっている。次の展開が読めるからこそ、少年に気づいてほしいと思うも、映画なので我々の声は届かない。サクッとこういったことをやってのけるフィルム・ノワール悪くない。