『The Second Act』カンタン・デュピューは『カメラを止めるな!』をやりたい

The Second Act(2024)

監督:カンタン・デュピュー
出演:ルイ・ガレル、ヴァンサン・ランドン、レア・セドゥetc

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

カンタン・デュピュー新作『The Second Act』がMUBIで配信されていたので観た。近年のカンタン・デュピューのメタ演劇系とは相性が悪く本作はそこまでハマらなかったものの、終盤にかけて面白い作品ではあった。

『The Second Act』あらすじ

Florence wants to introduce David, the man she’s madly in love with, to her father. But David isn’t attracted to her and wants to throw her into the arms of his friend Willy. The characters meet in a restaurant in the middle of nowhere.
訳:フローレンスは、自分が熱烈に愛しているデイビッドを父親に紹介したいと思っています。しかし、デイビッドは彼女に魅力を感じておらず、彼女を友人のウィリーの腕の中に放り込もうとしています。登場人物たちは、人里離れた場所にあるレストランで出会います。

IMDbより引用

カンタン・デュピューは『カメラを止めるな!』をやりたい

カンタン・デュピューの近年の傾向から『奇人たちの晩餐会』をリメイクした方が良いのではと思うぐらい不条理劇に執着しているイメージがある。本作は例に漏れず80分ぐらいしかないのだが、そのうち10分ぐらい使ってよくわからない道を歩きながら痴話げんかのようなことをする場面が展開される。そして、挙動不審なウェイターがワインを溢すネタで引っ張ってきて、それはコントでやるべきなのかなと思う。しかし、突然、そのウェイターが拳銃自殺をし、状況が変わってくる。これが撮影であり、ウェイターが死んでいないことが明らかにされたあたりから面白くなってくるのだ。カンタン・デュピューはリメイク版『カメラを止めるな!』にカメオ出演しているので、もしかしたら彼なりの『カメラを止めるな!』をやろうとしていたのかもしれない。そして、ラストは10分ぐらいかけて果てしなく長い撮影用のレールを後退しながら撮影していくのだが、段々とレールが欠けてくるユニークな演出で締める。つまらないけれども、アイデアとしては興味深く観た。