【MyFFF2025】『千の顔を持つ男』探偵は地味な活動だ

千の顔を持つ男(2023)
L’HOMME AUX MILLE VISAGES

監督:ソニア・クロンルンド

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

MyFFFにて『ナッシングウッドの王子』のソニア・クロンルンド監督新作『千の顔を持つ男』が配信された。本作は、愛していた夫が名前も職業も偽っており、他に何人もの女と関係を持っていたことを暴くドキュメンタリーである。この手のテーマはフィクションの定番ではあるものの、まさかまさかのドキュメンタリーでやっていると聞いて観てみた。

『千の顔を持つ男』あらすじ

愛する男性の子供を妊娠中のマリアンヌは、ある日彼が詐欺師であり、アレクサンドルという名前も、外科医という職業も嘘だったことを知る。この男はいくつものアイデンティティを使い分け、世界中で四人の女性と付き合っていた。千の顔、千の生活を持つ男に迫るドキュメンタリー

※MyFFFより引用

探偵は地味な活動だ

フィクションの場合、トリガーとなる事件をきっかけに「自分の知っているあの人は誰だ?」という問いが浮かび上がり、次々と思わぬ真実が明らかとなっていくドライブ感が魅力へと繋がってくる。しかし、現実の場合、探偵業が地味な作業の積み重ねであるように、スペクタクルにはならなかったりする。

要は地道に張り込み、調査を行い、相手の正体を暴くための準備を進めていく時間が大半を占めるのだ。ここを入念に行わないと、はぐらかされてしまったり、訴えられる可能性があるので、勢いで相手に凸ることはやってはいけないのだ。

そのため、映画は『ナッシングウッドの王子』のような怒涛の物語がある訳ではないので退屈に感じるであろう。しかし、ラストに魅せる思わぬ展開に映画的なものがある。そこまで付き合えるかが本作評価の分かれ目といえよう。