『エターナル・ドーター』内なる自己との対話

エターナル・ドーター(2022)
The Eternal Daughter

監督:ジョアンナ・ホッグ
出演:ティルダ・スウィントン、ジョセフ・マイデル、カーリー=ソフィア・デイビス、Alfie Sankey-Green、August Joshi etc

評価:40点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

U-NEXTでジョアンナ・ホッグの『エターナル・ドーター』が配信されていたので観た。

『エターナル・ドーター』あらすじ

「スーヴェニア 私たちが愛した時間」「家族の波紋」のジョアンナ・ホッグ監督が手がけ、2022年・第79回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されたミステリアスなゴシックドラマ。

映画監督のジュリーは年老いた母ロザリンドを連れて人里離れたホテルにやってくる。ジュリーは謎めいたこの場所で、母についての映画を作ろうとする。しかし、その過程で母の隠された秘密が明らかになり……。

映画.comより引用

内なる自己との対話

オスカー女優のティルダ・スウィントンがジュリーとロザリンドを1人2役で演じ、母娘の絆とすれ違いをひとりで演じ切った。製作総指揮にマーティン・スコセッシ。

正直、ジョアンナ・ホッグはあまりピンと来ていない監督であり、評判が高かった本作もあまり面白いとは感じなかった。

ティルダ・スウィントンがひとり二役で娘と母を演じる。お化け屋敷のようなホテルにやってきて早々にトラブルを発生させる。予約がちゃんと取れていないらしい。でも2階には泊まりたい。ごねて宿泊することになるのだが、何故か母親が出現する。幽霊と対話していることがわかるのだ。屋敷には女の従業員しかいないはずなのに、霊が見える黒人の従業員が現れたりする中、娘は幽霊の母と対話する。

ある意味『惑星ソラリス』といった感じで、要は内なる他者として母親の霊があり、その対話を通じて自分の中のモヤモヤを晴らそうとするのだ。観客はその構造を知っているから、それを唯一知らない女性従業員との間に生まれる奇妙な間、居心地の悪さがスパイスとなってくる。

ただ、ギミックだけの映画のように思えて、肝心な彼女の葛藤自体にピンと来ず、ただただ変なメンヘラ客にしか思えなかったのが残念だ。