マグノリアの花たち(1989)
STEEL MAGNOLIAS
監督:ハーバート・ロス
出演:サリー・フィールド、シャーリー・マクレーン、ドリー・パートン、ダリル・ハンナetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』でレンタルビデオ屋の店長がオススメしていた作品。『マグノリア』は観ているが『マグノリアの花たち』は観ていないは意外とシネフィルあるあるでは?とその鋭利なネタに感動したわけだが、私も観ていないことに気づく。あの、ハーバート・ロス監督作なのに。実際に観ると時代を感じる一本であった。
『マグノリアの花たち』あらすじ
アメリカ、ルイジアナ州の小さな町。イーテントン家の人々は、長女シェルビー(ジュリア・ロバーツ)の結婚式の準備で大わらわだった。シェルビーと母のマリン(サリー・フィールド)は、式の身づくろいのために、偏屈者の未亡人ウィザー(シャーリー・マクレーン)や、町長の未亡人クレリー(オリンピア・デュカキス)など町の女たちの社交場、陽気な女主人トルービィ(ドリー・パートン)の経営する美容室にやってきた。ところがその時、シェルビーが発作に襲われた。実は彼女は結婚しても子供を産んではならない体だった。それでもシェルビーは弁護士のジャクソン(ディラン・マクダーモット)と結婚した。やがてクリスマス。トルービィ美容室の美容師アネル(ダリル・ハンナ)はサミー(ケヴィン・J・オコナー)と恋をしていた。妊娠が分かったシェルビーは、命を賭けても子供を産もうと決心する。そして男子を出産して1年後、内臓の機能が低下したシェルビーのために、マリンは片方の腎臓を提供することになり、手術は無事成功した。ハロウィンの頃、アネルとサミーが結婚したが、その直後シェルビーが倒れた。そして昏睡状態の中で、彼女は帰らぬ人となった。シェルビーの葬式の日、失意のマリンを励ます女たちの絆はさらに深く結ばれた。イースターの頃、今度はアネルが妊娠していた。ウィザーも昔の恋人と愛を再燃させている。こうして時は、生と死を乗り越え、町を流れてゆくのだった。
群れ社会、今なら
『マグノリアの花たち』はハワード・ホークス『ハタリ!』さながらの群れの躍動により進行する。糖尿病を抱えながら出産を決意する女を中心に干渉、ノイズが激るのである。
男たちは家事そっちのけでどんちゃん騒ぎ。住宅地に銃声、火花散らす物騒さが呑気に捉えられる。女たちは男たちのナチュラルセクハラをいなしながらヒステリック気味にヒロインへと干渉し、それが女の友情と物語る。
二重の過酷さ、今なら『煙突の中の雀』さながらシリアス・オブ・シリアスになるところを軽快に駆け抜ける。この差にジェネレーションギャップを感じつつ、当時としてはかなり攻めた演出だったのではないだろうか?