BULLY ブリー(2001)
監督:ラリー・クラーク
出演:ブラッド・レンフロ、ビジュー・フィリップス、レイチェル・マイナー、ニック・スタール、マイケル・ピットetc
評価:50点
U-NEXTに『BULLY ブリー』が配信されたぞと話題になっていたので観た。本作はTSUTAYA時代の定番悪趣味青春ものといったイメージがある。観よう観ようと思いつつ、15年ぐらいの時を経てようやく鑑賞した。
『BULLY ブリー』あらすじ
南フロリダ。ボビー(ニック・スタール)と幼なじみのマーティ(ブラッド・レンフロ)は、一見仲良しだが、実はボビーの一方的な権力に支配されていた。二人はアルバイト先のスーパーでスレンダーなアリ(ビショウ・フィリップス)とふっくらしたリサ(レイチェル・マイナー)をデートに誘う。リサはマーティと結ばれ、アリはボビーと関係を持った。だがやがてボビーは、アリやリサにも暴力を振るうようになる。耐えかねたリサが、ボビー殺害計画を発案。アリのヤク中のボーイフレンドであるドニー(マイケル・ピット)やアリの友人ヘザー(ケリ・ガーナー)、リサのいとこのデレク(ダニエル・フランゼーセ)らも巻き込み、計画はどんどん現実味を帯びていく。ついにはプロの殺し屋カーフマン(レオ・フィッツパトリック)をも引きずり込み、いよいよ計画実行。皆でボビーを川までドライヴに誘い出し、マーティがナイフでとどめの一撃を加えた。しかし殺人を犯したあと、彼らは徐々に冷静さを失い、不安を増幅させていく。結局、警察への匿名通報によって、7人の殺人者は逮捕。それぞれに重い刑が言い渡されるのだった。
起こるべくして起きたリアリズムの気持ち悪さ
ラリー・クラークのことなので、当然ながらどうしようもなく退廃的な若者の姿を延々と撮る。バイト中に女をナンパする。悪友はすぐに殴る。感情を言語化できず、野性的に生きる若者たちがドラッグに溺れながらガンギまった状態で格闘ゲームに投じ、店から出た瞬間に嘔吐する。そんな、未来なんかまったく考えていない若者たちが殺人を計画し実行し、捕まったところで現実を認知するが時すでに遅しとなる。
この時代は『エレファント』があったり、等身大の若者の暴力性をドキュメンタリータッチで描く傾向があったように思える。しかしながら、アンドレア・アーノルドやショーン・ベイカーのようにナラティブに落とし込む技術が確立された今からするとかなり退屈でイラつかせる作品のように思えた。