『L’histoire de Souleymane』ギグワークをするギニア難民

L’histoire de Souleymane(2024)

監督:Boris Lojkine
出演:Abou Sangare、ニナ・ミュリス、Emmanuel Yovanie、Younoussa Diallo、Ghislain Mahan etc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

カンヌ国際映画祭ある視点部門で俳優賞を受賞した『L’histoire de Souleymane』を観た。

『L’histoire de Souleymane』あらすじ

A Paris food delivery cyclist and asylum seeker named Souleymane has two days to prepare his story for a make-or-break interview to secure legal residency.
訳:パリのフードデリバリーサイクリストであり、亡命希望者であるスレイマンは、合法的な居住権を確保するための面接のために、2日間で自分のストーリーを準備しなければならない。

IMDbより引用

ギグワークをするギニア難民

スレイマンはパリの街を自転車で東奔西走する。ギグワーカーとして、料理を届けて日銭を稼いでいるのだ。彼は近々、難民申請を行うために準備をしている。その関係で、アプリのアカウントは知り合いのモノを間借りしている。これにはトラップがある。一定の基準を超えてしまうと顔認証を行う必要が出てきて、一定時間内に手続きをしなければアカウントが凍結されてしまうのだ。そのため、差別的でやたらと待たせる店の案件をキャンセルしてパスするようなことができないのだ。

本作は、ダルデンヌ兄弟テイストで描かれ、スレイマンの後ろを追うように撮っていくスタイルが採用されている。その中で、宙づりのサスペンスを魅力的に描いており、例えば、ホームレス向けのシェルターに入るために特定のバスへ乗り込まないといけないのだが、間に合うのかどうかの緊迫感が流れる。一方で、監督がインタビューで語っているようにスペクタクルとして主人公を追い込み過ぎないよう、実際のギニア人ギグワーカーの取材をベースに物語を構築しているので、好感が持てる作品へと仕上がっていた。