『エイリアン2』1作目とのライティング的違いについて

エイリアン2(1986)
Aliens

監督:ジェームズ・キャメロン
出演:シガニー・ウィーバー、マイケル・ビーン、キャリー・ヘン、ランス・ヘンリクセンetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

『エイリアン:ロムルス』予習で先日1作目の『エイリアン』を観たのだが、これが想像以上に技術の映画に仕上がっており、またお仕事映画としても優秀で驚かされた。勢いで2作目も観てみることにした。個人的に2作目が一番印象に残っており、宇宙船のヴィジュアルのカッコよさ、なによりも気持ち悪いエイリアン軍団の襲撃にいい意味でトラウマとなった。今回、観てみるとライティング面で1作目と大きく違うことに気づいたので書いていく。

『エイリアン2』あらすじ

大ヒットSFスリラー「エイリアン」のシリーズ第2作。「ターミネーター」のジェームズ・キャメロンが監督・脚本を手がけ、エイリアンの大群と海兵隊の死闘を緊張感たっぷりに描く。宇宙貨物船ノストロモ号での惨劇から57年後。唯一の生存者である航海士リプリーが、催眠カプセルの中で眠りながら宇宙を漂っているところを発見された。目を覚ました彼女は、かつて自分たちがエイリアンと遭遇した星が現在は植民惑星となっていることを知り、がく然とする。リプリーがエイリアンの危険性を訴える中、植民惑星との通信が突如として途絶えてしまう。原因調査を依頼されたリプリーは、海兵隊とともに現地へ向かうが……。第1作に続いてシガニー・ウィーバーが主人公リプリーを演じ、「ターミネーター」のマイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセンが共演。

映画.comより引用

1作目とのライティング的違いについて

1作目のエイリアンでは、まるで陰影礼賛の世界のように暗闇の中の微かな光源を金属に反射させて宇宙船内を魅力的にみせていく演出がされていた。リドリー・スコットは他の作品を観ても、影や暗部を基調とした空間づくりをする傾向がある。一方で、ジェームズ・キャメロンは光をどんどん当てて、全体像を魅せようとする。『アバター』シリーズなんかがその典型であり、サスペンス描写も比較的明るい場所で行われる。『エイリアン2』の話に入ると、1作目にあったような金属や滴る液体の反射によって空間を魅せるようなことはせず、暗い空間でも一部の光が明るく照らすように演出されている。寂しくもあるが、エイリアンを群れとして魅せる必要があり、今みたいにバカスカVFXを挿入できる訳ではないので適切な技術選定といえる。

ストーリー面に注目すると、群れ対群れの戦いを描いているのだが、前作と比べると雑に登場人物を殺している。人数が多いというのもあり、最初の潜入でチームに大打撃が与えられるように設定されている。時間内に効率よく数人レベルにまで生存者を減らさないといけないため、仲間を助けに行く、まとめて殺されるみたいな工夫が施されておりパニック映画での生存者の減らし方の勉強にはなるだろう。

個人的には昔と変わらない感情があり、ロボットのビショップがリプリーに嫌われつつも淡々と職務をこなし、工場地帯が爆発してヤバい状態になっても、飛びながら待っていてくれている献身さはグッと来るものがあった。

※映画.comより画像引用