『MY FAVORITE WAR』思想が植えつけられる時

MY FAVORITE WAR(2020)

監督:Ilze BURKOVSKA JACOBSEN
出演:Ilze BURKOVSKA JACOBSEN

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第7回新千歳空港国際アニメーション映画祭でラトビア映画『MY FAVORITE WAR』を観ました。本作は、アヌシー国際アニメーション映画祭コントルシャン部門グランプリを受賞している。

『MY FAVORITE WAR』あらすじ


冷戦期のソ連占領下で育った監督自身の幼少期の物語を基にしたアニメーション・ドキュメンタリーで、強大な独裁体制の洗脳から逃れるための個人的な道のりを描いた成長物語。「あのとき私は選択しなければならなかった――自分はどんな人間になるべきか、そして、何を信じるべきなのか。それは、今もまだ若い世代が自問自答する、同じ疑問でもあるのだ。」
※新千歳空港国際アニメーション映画祭サイトより引用

思想が植えつけられる時

ラトビア生まれのIlze BURKOVSKA JACOBSENが幼少期ソ連支配下時代を振り返る。ドキュメンタリーパートとアニメーションによる再現映像によって立体的に全体主義の恐怖を描いた作品は『戦場でワルツを』、『Téhéran Tabou』に次ぐ、アニメドキュメンタリーの傑作である。アニメという手法を用いることで、恐怖を直視可能なレベルまでデフォルメすることができ、また撮影が困難なものを補うことができる。

監督は、生まれ育った小学校を訪れる。疎開という形で、とある町にやってくる。その町には不穏な空気が漂っており、「ポリゴン」と呼ばれる立入禁止区域があった。母親は鬱病気味である。憂鬱な表情を浮かべる彼女は「学校で余計なことを話さないで。ましてや祖父がシベリア送りになった話はしないで。私の仕事が奪われる。トイレもない僻地に飛ばされるわよ。」と釘を刺される。その教えに従い、弟の面倒を見る彼女だった。彼女はテレビで勇敢な第二次世界大戦を支える女に惚れて、女医を夢見ていたが、やがてジャーナリストを志望するようになる。それは、この町にあるよく分からない抑圧の正体を知りたいという願望が根にある。集団の法則に従っていれば、平和だということを植えつけられ、共産主義組織として一つの方向を向き始める彼女。ポリゴンの正体が爆撃演習場だったことも知る。だが、砂場で白骨死体を見てからトラウマを抱え始める。

ラトビアはソ連から独立した。あの時代は幸せだったのだろうか?従ってさえいれば最低限の生活は保証されていたが、その生活の下に何人の人が犠牲になったのだろうか?Ilze BURKOVSKA JACOBSENの自問自答を通じて、ラトビアの悲しい歴史を知ることができた。これはアカデミー賞長編アニメーション賞のワールドシネマ枠に選出されるのではないだろうか。

※新千歳空港国際アニメーション映画祭サイトより画像引用

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