15ミニッツ・ウォー(2019)
監督:フレッド・グリビオス
出演:アルバン・ルノワール、オルガ・キュリレンコ、ケビン・レインetc
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
クロックワークスさんのご好意で10/11(金)より公開の『15ミニッツ・ウォー』を一足早く拝見しました。本作は、1976年にアフリカ最後の植民地だったジブチで発生したバスジャック事件に基づいたテロリストVS狙撃手&先生の戦いを描いた作品です。テロリストに敢然と立ち向かう先生役には『スターリンの葬送狂騒曲』や『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』等に出演しているオルガ・キュリレンコが抜擢。果たして…
『15ミニッツ・ウォー』あらすじ
1976年、当時フランスの植民地だったジブチで遂行された人質救出作戦を描いたサスペンスアクション。世界最高峰ともうたわれるフランスの対テロ特殊部隊「GIGN(フランス国家憲兵隊治安介入部隊)」が正式に組織化される前夜に行われた伝説的な作戦の一部始終を、緊迫感たっぷりに描き出した。76年、フランス最後の植民地ジブチで、子どもたちを乗せたスクールバスが武装組織にジャックされる事件が発生。テロリストたちは同志である政治犯の解放と、フランスからの独立を要求する。仏政府は、事件解決のため極秘裏に編成した特殊制圧チームを派遣。指揮官のジェルヴァル大尉をはじめ、トップクラスのスナイパーで結成されたチームは、一斉射撃によるテロリストの同時排除という前代未聞の作戦を立案するが……。出演は「マイ・エンジェル」のアルバン・ルノワール、「007 慰めの報酬」「オブリビオン」などハリウッド大作でも活躍するオルガ・キュリレンコ。監督は「孤独の暗殺者 スナイパー」のフレッド・グリビオス。
※映画.comより引用
ジブチってどんな国?
ところで、あなたはジブチという国をこ存じだろうか?ジブチは世界最貧国の一つエチオピアと、世界で最も物騒な国といわれているソマリランドの隣に位置します。大きさは四国のだいたい1.3倍にあたるこの国は1946年~1977年までフランスの領土でした。
フランスから独立後、ソマリア系のイッサ族とエチオピア系のアファール族との対立が激化し度重なる紛争で内政が不安定となりました。また、作物が育つような場所ではないので、湾岸を利用した運送ビジネスやインフラ事業が国家を支えている状況です。
また世界遺産を保有していない国でもある。
緊迫の98分
いきなり、テロリストによってバスがジャックされるところから始まる。
テロリストは国境に行くよう運転手に銃を突きつける。彼は子どもに容赦しない。少年が、ねぇねぇ学校は?と訊くとうるせぇと殴りつけ、少年は血だらけとなる。いかに事態が深刻なんのかがよく分かる。そんな異常事態にフランス政府は特殊部隊を結成し、極秘でテロリストに近づこうとする。その事態を知らない学校教師は、単身でテロリストのいる荒野へと向かうのだ。
ここで映し出される女性教師が、異常にたくましい。テロリストとの交渉には応じず、子どもを返せと迫るのだ。テロリストは、カートを片手に話し合いを求めるがそれすら拒む。これがいかに危険なことか。カートとはソマリア、ソマリランド近辺で親しまれている酒やタバコのような嗜好品。高野秀行の『謎の独立国家ソマリランド』によればカートはコミュニケーションツールとして機能しているとのこと。宴会にはカートが必需品で、カートを食べながら議論をしたりする。テロリストは折角、先生と議論して問題解決をしようとしているのに、それを拒むのです。フランス政府が極秘裏にテロリストと立ち向かう横で危険なやりとりが行われていく様子を交差させていく、そこに漂う緊迫感はたまらないものがある。舞台はほとんど荒野だけにも拘らず、スナイパーサスペンスとして魅力的に仕上がっており、尚且つ知られざるジブチの歴史にも触れられる良作でありました。
日本公開は10/11(金)ヒューマントラストシネマ渋谷他にて。
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