WEEKEND ウィークエンド(2011)
WEEKEND

監督:アンドリュー・ヘイ
出演:トム・カレン、クリス・ニューetc

0.1 評価:60点

1 『WEEKEND ウィークエンド』あらすじ
2 自分の心を認めるまで

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

日本公開9/27(金)のゲイ映画『WEEKEND ウィークエンド』を観ました。本作は、『さざなみ』、『荒野にて』で注目を集めたアンドリュー・ヘイの初期作品です。SXSW映画祭で観客賞を受賞したり、英国インディペンデント映画賞、ロンドン映画批評家協会賞等を受賞していたものの、日本では東京国際レズビアン&ゲイ映画祭での上映止まりだった作品。これはなかなか嬉しい上映機会と言えよう。

『WEEKEND ウィークエンド』あらすじ

「荒野にて」「さざなみ」のアンドリュー・ヘイ監督が2011年に手がけた男性同士の恋愛を描いたラブストーリー。金曜の夜、友人たちとのパーティのあと、ラッセルは一夜限りのパートナーを求めて立ち寄ったクラブでグレンを誘い出すことに成功し、2人はともに週末を過ごす。ライフガードとして働く孤児のラッセル、アーティストを目指す皮肉屋のグレン。2人だけの時間を過ごす中で、ラッセルとグレンはお互いのこだわり、切実さを学んでいった。そんな2人だけの週末が終わろうとする中、ラッセルはグレンからある事実を知らされる。
※映画.comより引用

自分の心を認めるまで

本作は社会という大きな枠組みの中にあるゲイの心情を緻密に掘り下げていった作品だ。2010年代はLGBTQが活発に叫ばれるようになり性的マイノリティに対する社会認識が高まったと言えるのだが、それでも同性愛というのは社会の目を気にして陰日向でひっそりと生きる側面がある。相手を探す同性愛者のラッセルはグレンという男に目をつけゲイクラブからそのままお持ち帰りする。するとグレンはどうやらアートとして同性愛者を演じていることがわかる。そしてグレンはテープレコーダーを取り出してラッセルにインタビューを始めるのだ。

そして談笑していくうちに、グレンは恋に破れてこのようなことをしていることが判明する。そして段々と彼らと社会の関係性が見えてくる。ラッセルはカミングアウトできない町の雰囲気に苦しんでいることがわかってくる。グレンも、失恋をきっかけに同性愛に対して斜に構えてしまっていることが分かってくる。そして互いの傷が癒えてくるうちに、異性愛者中心で回っている社会に対する静かな叫びが抽出されていく。

決して大きな展開がある作品ではない。会話中心の地味な作品である。しかしながら同性愛者の感情というものを誇張なく捉えた紳士的作品であるのは間違いない。LGBTQに関心ある方必見の作品でした。