レアンドロ・エルリッヒ展に行ってきた
2017.11.18(土)~2018.4.1(日)の間、六本木森美術館でレアンドロ・エルリッヒ展が開催されている。2017年の流行語大賞にも選ばれた「インスタ映え」という言葉にぴったりな美術展としてSNSで話題になっていました。なんと通常の美術展とは違い、写真撮影がOKなのです(ちなみに余談だが、海外の美術館はフラッシュさえたかなければ写真撮影OKなところが多い)。
たまには、週末に映画以外のレジャーをするのも悪くないと思い、友達と行ってきました。
レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)って?
レアンドロ・エルリッヒはアルゼンチン・ブエノスアイレス出身の現代アーティスト。日本では金沢21世紀美術館に永久設置されている「スイミング・プール(swimming pool)」が有名。鏡や水、ガラスなどを用いた独特な空間を作り出す事を得意とするアーティスト。
↑「スイミング・プール(swimming pool)」はなかったのですが、簡易模型はありました。
錯覚を意識する
本美術展のテーマが「見えることのリアル」。それだけに我々の常識を覆すようなアートが次々と展開されていく。
まず美術展に入ると暗闇が待ち受ける。奥まで進むといくつかの船が見えてくる。どうやら水の上で揺れているのだ。しかし、じっくり見ると、水が張られておらず、船がコンピュータ制御でただ動いているだけだということに気づかされる。
さらに進むと、ガラスの箱に日本やドイツ等の形をした雲が閉じ込められている。しかし、横からみるとガラスが層状に重なって雲が形成されていることに驚かされる。
他にも迷宮のように入り組んだ鏡の間や、除くと上にも下にも永遠に続くような闇が広がっているエレベーターなど錯覚を活用した作品が我々を待ち受けます。
THE VIEWに注目
ブンブンが一番惹かれたのは、「THE VIEW」という作品。窓を覗くと、向かいの様々な窓に、様々な人間模様が見える。ストレッチをしているだけの部屋や、何か喧嘩をしているような部屋、はたまた泥棒にあっているような部屋がある。まるでヒッチコックの『裏窓』のような空間に惹きこまれ、ハッと気づかされる。人々の本能に覗き魔的側面があるということを。
その横にあった、監視社会を象徴する作品と併せて見ることで、人々は常に誰かを気にして生きていることに気づかされる。非常に社会批判、分析が内包されている作品だ。
Dalston House
本作の目玉である、「Dalston House」も大変賑わっていました。休日でも、意外と空いている(ドラえもん展は激混みでした)レアンドロ・エルリッヒ展ですが、流石にこれは撮影するまでに10分かかりました。
実際に挑戦して感じたのは、美術館の人は毎日本当に鏡を綺麗に磨いていること。ちょっとでも霞んでいると、アートとして失敗なだけに、入念に鏡は磨かれており、実際に目の前で見ても錯覚してしまうほどユニークな空間でした。
最後に…
本作は、人々の常識を次々と破っていくことで、社会と人間のあり方を見事に批判してみせた美術展といえよう。
理屈抜きでも十分楽しめるので、興味ある方は是非六本木へ!
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