新入社員のIT研修から見る情報科教育
社会人になり早3ヶ月が経ちました。機械メーカーのソフトウェア開発者になったブンブンは、4月5月と某所でIT研修というものを行ってきました。これは、情報科の勉強をあまりしてこなかった人でも開発者の基礎がつくよう、効率よく学べるプログラムです。企業によって、自由にカリキュラムを組むことができます。ブンブンは、最初の2日間、ビジネス文書やビジネスマナー研修を受けた後、ネットワークやコンピュータの基礎知識を学び、その後にC言語を学びました。最終的には5人ぐらいのチームでスーパーのPOSシステムという、大きなソフトウェアを構築する演習を行いました。
今回、この研修を受けて、「高校情報科」を教えられる人材は日本に沢山いるのでは?と考え、記事にしてみました。あくまでブンブンの憶測でも話だが、日本の情報科教育の未来を考えていこうと思います。
高校情報科がピンチ!
日本の技術力は世界一と言われていた時代が終わりを告げようとしている。大手家電メーカーは東芝のように凋落の一途をたどっている。また、10年ぐらいまでは、安い人材が売りだった中国も経済発展し、今や日本に外注した方が安いのではと言われる時代。
日本が世界からつき離されようとしているのだが、その流れは教育にも現れている。今や、欧米では幼少期からの情報科教育に力を入れており、フィンランドなんかはマインクラフトやスマホゲーム等を授業に持ち込む新時代の教育を導入している。ブンブンが留学したフランスでは、電子黒板が採用され、どんな先生も使いこなしている。
つまり、情報科教育でも日本は大きく遅れを取っています。現に政府は、焦りを魅せ、やれタブレットを支給しろ!やれプログラミングを必修にしろといっているが、そもそも情報科教員を採用していない事実に目を向けなければいけません。
[blogcard url=”http://jnsg.jp/?p=2110”]
情報入試研究会の調査によると、平成26年度の高等学校情報科教員採用数はたった44人。一般的にマイナー教科と言われている家庭科が128人、芸術が168人採用されている。つまり、これらの教科の1/3しか採用していないのです。おまけに、情報科だけ数学や物理の先生が教えている状態が続いており、県によってはここ10年情報科教員を採用したことがなかったりする。まさに最悪な状態です。
情報を教える人材はいないのか?
そもそも県や学校が、情報科を軽視しており、情報科教員に対する人件費を削るために他の教科の教師を授業にあてがっていることもあるのだが、そもそも今、情報科を教えられる教員はいるのか?という問題がある。実際に、ブンブンが大学時代情報科の教職課程を受講していたのだが、同じ学部での受講者はブンブン1人でした。
この疑問を数年間抱いていたのですが、IT研修を受けて驚きました!情報科をメチャクチャ上手く教えられる講師がその研修会場に沢山いたのです。SEとして働いた後に、コンサルタントを務め、今は未来のSEを育てているというようなキャリアの人が沢山いました。こういう人材が教育現場に来たら、日本の情報科教育も向上するのではないだろうか?
情報科教員を学校に誘致する為に…
これらの人材をどのようにして、誘致すれば良いのか?それは既存の学校システムを変えないといけないかもしれません。文部科学省が5年ごとのスパンで発行する教育指導案も、2~3年で著しくIT技術が変わる情報科を前に効果をなしておりません。情報科も現在、他の教科の教師が兼任することが許されている為、教員免許取得の条件を減らしてみてはどうだろうか?
例えば、新入社員のIT研修講師として5年以上やっていたら、無条件に情報科教員免許を取得できるとか。また、新入社員向け研修講師と同等のメリットを与える必要があります。部活の顧問をしなくてよい(そもそも、部活自体廃止にして教師の負担を減らすべき)とか、給与を上げるとかそういうった待遇をしないと人材は学校教育の現場に入ってこない。
最後に…
今日は、完全にブンブンがIT研修を受けて感じた情報科教育の不満を書き連ねました。ブンブンが情報科の教育実習を受けた際、情弱な教師が沢山いることに驚かされました。今時、情報科教員だけではなく他教科の教師も、しっかり情報科の勉強をし、理解を深める必要があるなと感じました。さて、日本はタイタニック号のように沈没する豪華客船を、指をくわえて見ているだけの存在なのか?それとも挽回していくのか?日本の将来が不安になりました。
コメントを残す