「マネーモンスター」ジョディ・フォスター快進撃!広がりのある立て籠もり劇

北欧旅行で観た映画6:
マネーモンスター(2016)
MONEY MONSTER(2016)

マネーモンスター

監督:ジョディ・フォスター
出演:ジョディ・フォスター、
ジョージ・クルーニーetc

評価:90点

ヘルシンキ行きの飛行機で
観た作品。
ブンブンの乗ったフィンエアーは
機内エンタテイメントが非常に
充実しており、子供だましな
大味大作だけでなく、
カンヌ国際映画祭に
出品されるような
アート映画(後日紹介するが、
ブルーノ・デュモンの「Ma Loute」
など)も結構取りそろえてある。
なので、今回の映画マラソンは
非常に楽しいモノだった。

流石に、飛行機9時間
ぶっ通しで映画を観てるのも
辛いのだが、そんな中観た
「マネー・モンスター」は大傑作だ。

本作は丁度、
日本で公開された頃、
ブンブンは就職活動中で
スルーしていた作品。

しかし、あの女優
ジョディ・フォスターが
作った本作は、
他の映画監督に負けない
濃密な立て籠もり映画でした。

「マネーモンスター」あらすじ

経済エンターテイメント番組
「マネーモンスター」の司会者が
突如、生放送中に乱入した
男に拘束されてしまう。

なんと、その男は
「マネーモンスター」の
せいで多額の金を
失ったとのこと。

テレビディレクターの支持のもと、
司会者は男をなだめるが、
次第に「マネーモンスター」で
扱ったIBSI社の闇が分かり…

98分でまとめきった群像立て籠もり劇

本作を観て、驚いたことは
「狼たちの午後」とか「インサイド・マン」
ような立て籠もり映画に比べて、
世界の広がりが非常に壮大なことだ。
たった98分で数十人に渡る目線から、
メディアと経済の闇を多角的に
描ききっているのだ。

単純に、司会者とTVディレクター、
そして犯人の話ではなかったのである。

引きこもり犯が語る「マネーモンスター」
のせいで大損害を受けた話
からTVディレクターが、
それじゃあ問題のIBIS株がなぜ
急落したのかを解明しようという話になる。

そして、テレビ局の一人一人が、
テレビ局と企業との政治的壁を
乗り越えて真実へと近づこうと
していくのだ!

そう、本作は
いかに「株」が情報操作の上に
成り立っているのか、
メディアと人々の関係を
非常にシニカルに描いた
作品なのだ!!

印象的なシーンとして、
警官や
テレビディレクターが
頑張って、犯人のカノジョを
連れてきて説得させようと
するのだが、
カノジョは激怒し!
あんたなんか消えちまえと
言ってしまうところがある。

バーとかで集っている人は大爆笑。
現場は、いつ犯人が暴れて
銃をぶっ放すか分からない緊迫感
を並行して描くことで、
画面越しで他人の不幸を楽しんでいる
私たち市民が上手く皮肉られている。

他にも、「現場はこうしたい」
「警察はああやりたい」、だけれども
市民は?企業は?といった対比が
絶妙なタイミングで切り替わるので
観ていてまったく飽きない。
予定調和になりがちな話を
ここまで面白くできる
ジョディ・フォスター
やはり凄いです。

つまり、一見普通の立てこもり
ものと見せかけといて、
複数の視点から「メディア」
を作る側、踊らされる側を
あぶり出し、それを90分
ちょいでまとめ上げた傑作なのだ!

日本でも
「グッド・モーニング・ショー」
なんて立てこもりものが作られたが、
果たしてここまでスマートに
描けているか不安であるw

観逃したそこのあなた、
是非とも手にとって観てください!

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