“Ç”髙橋渉×劇団ひとりのケツ作「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」

クレヨンしんちゃん
爆睡!ユメミーワールド大突撃

クレヨンしんちゃん

監督:髙橋渉
声の出演:矢島晶子,
ならはしみき,藤原啓治,
こおろぎさとみ,川田妙子,
安田顕,吉瀬美智子,
とにかく明るい安村,
城咲仁,大和田獏

評価:90点

今回、初めて映画館で
クレヨンしんちゃんを観ました。
現在注目株であるアニメ監督
髙橋渉と劇団ひとり
タッグを組んでいる
との事なので相当
期待値が高かったのだが、
それを超えるケツ作だったゾ!

あらすじ

春日部の睡眠が突如奪われた!
夢を見ると、大きな魚に食われる。
「夢」を持つ子どもは楽園のような
空間に、「夢」が小さい大人は
地獄のような空間に飛ばされる。
大人達が悪夢に悩まされる中、
春日部防衛隊は果たして
事態を解決できるのか?

無駄のなさすぎる96分

以前2014年の「クレヨンしんちゃん
ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん


の感想を書いたとき、
無駄のない97分だと
語ったのだが、
今回もしっかり96分に
ぎっちり中身をねじ込んだ
作品だ。

本作は例えるならば
「インセプション」だ。
夢の世界で春日部防衛隊が
トラウマを倒す内容、
どこか似てませんか?

しかし、「インセプション」が
148分かけて描いたカタルシスや
冒険感を本作はいとも簡単に
96分に圧縮しているのだ!

だから、冒頭のアヴァンタイトル
から一切無駄がない。
野原ひろしのギャグパートが
しっかり伏線になっているのだ!

そして、もちろん劇中で
展開されるギャグは一切滑ることなく、
劇場を爆笑に包み疾走する。
脚本家に劇団ひとりを持ってきた
甲斐もあって、しっかりと
臼井儀人のソウルを引き継いでいる
のだ。

オトナ帝国への挑戦

そして、本作が一番凄い
ところは、なななんと!
あの大傑作「オトナ帝国の逆襲」
に挑戦状をたたきつけている
ところだ。

というのも、本作のプロットは
よくよく観察すると
「オトナ帝国の逆襲」の
逆をやっているのだ。

「オトナ帝国の逆襲」は、
オトナが天国に取り憑かれていて、
現実のヤバさに気付けず、
ピンチに陥る話だ。

本作では天国に
取り憑かれるのは子どもたちだ。
そしてどんどん事態がヤバくなって、
最終的に世紀末的状況下で
しんちゃんが頑張るのだ!

そして、「オトナ帝国」が
魅せた「偽りの天国」崩壊後の
世界を魅せるという子ども映画にしては
高度すぎる展開も本作、
きっちり再現されている。凄すぎるんです!

精密に、でも髙橋渉が意識してきたヒーロー観
と劇団ひとりのギャグ捌きで
オリジナリティを出してくるので、
二番煎じ感0だ。

むしろ、終盤になって明らかにされる
敵の切な過ぎる宿命に
涙するのだ!

監督の髙橋渉デビュー作「あたしンち3D」


悲惨な目に遭ったが、よく
ここまで登りつめた!
その粘り強さに拍手喝采な作品でした。

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