シェル・コレクター(2016)
THE SHELL COLLECTER(2016)
監督:坪田義史
出演:リリー・フランキー、寺島しのぶ、
池松壮亮、橋本愛etc
評価:65点
リリー・フランキーが盲目の
貝収集家を演じた作品が
公開される!と映画好きの
間で密かに話題になっている
「シェル・コレクター」が
ついに来週2/27(土)より
テアトル新宿他にて
公開される。
一足早く観ましたので
感想をアップしていくぞ~
「シェル・コレクター」あらすじ
ピュアリッツァー賞を受賞したアメリカ人作家アンソニー・ドーアの同名小説を映画化。
沖縄の孤島で貝を収集しながら隠居暮らしを
送っている盲目の老人。
ある日、浜へ出ると女が一人
横たわっている。
仕方なしに、女を家に泊めることに
した老人。ひょこんなことから
女が持っていた奇病を、
貝の毒で治してしまったことから
平和な暮らしにヒビが入る…
リリー・フランキーのエロさにじみ出る!
本作の最大の魅力は、リリー・フランキーと「貝」だ!
リリー・フランキーの盲目の演技は本当に凄い!
ブンブン、今までに何人も目が見えない人を
見てきたが、こういった人の目って表情がないんだよね。
口元は笑っていても目に魂がない。
その独特な感覚をリリー・フランキーは見事に
体現できている。サングラスもせず、座頭市のように
まぶたを閉じているわけでもない。
目をかっぴらき正々堂々、盲目を演じているのだ。
しかし、リリー・フランキーはそれだけでなく
エロさも演出。当然座頭市のような明るいもの
ではなく、ヌメヌメとしたフェロモンを
にじみ出している。
そのフェロモンを貝が後押しする。
冒頭の美味しそうな貝の身をほじくるシーン、
そして毒貝のヌメヌメとした動きが
また嫌らしくて素敵である。
これまた、しがらみから離れて暮らしてきた
老人が、「不治の病を治してくれ」と
ゾンビのように押し寄せる人々に
鬱陶しさを感じる本作のストーリーに
見事合致していて、
サザエの苦い身の部分のような
味わい深い演出となっている。
原作を読んでいないので、
比較しようがないのだが、
原作の嫌らしい文体を
上手く監督はヴィジュアルに
落とし込んだのでは?と
思わずにはいられない。
アンソニー・ドーアの原作が読みたくなる
ただ、本作の不満なところも
ないわけではない。
あんだけ、嫌らしく面倒臭い状況に
老人は追い込まれる、変な考えに
取り憑かれた息子までやってきて、
さあどうなると期待したのだが、
対して大きい展開がなく
尻つぼみで終わってしまったことだ。
こればかりは、原作読まないと
いけないなと思うのだが、
中盤までに期待しすぎたため
後半の展開にノレない事態と
なりました。
そうはいっても、坪田義史の
テクニックは目を張る物があり
これからビッグな映画作家に
なりそうだ!
ってことで映画好きは、
是非テアトル新宿にて、
リリー・フランキーと「貝」を
楽しんで見てください!
…ああ、サザエの壺焼きが食べたい。
P.S.坪田義史監督の「美代子阿佐ヶ谷気分」予告編↓
コメントを残す