ダーク・スター(DARK STAR)
監督:ジョン・カーペンター
出演:ダン・オバノン、ブライアン・ナレルetc
評価:85点
B級映画には傑作が多いと言われるが、
それも無数にあるB級映画の中における
氷山の一角だ。
今回、ホラー映画の巨匠
ジョン・カーペンターが大学の卒業制作
で作った同名作品のリメイクであり、
彼の長編デビュー作「ダーク・スター」を
観たぞ~
シュール過ぎる「2001年宇宙の旅」
「2001年宇宙の旅」もサイケデリックな演出だったり、
コンピューターが人を殺すシーンだったりと
シュールな描写は多いが、
「ダーク・スター」は「2001年宇宙の旅」を
もっとシュールに仕上げている。
まず、宇宙船描写。
4人のオトコの宇宙船内がキタナイww
部屋は、男子校のようにガラクタ
ゴミ屋敷だww
んで、宇宙船なのに高校の文化祭の
ような張り紙の張りよう。
THE B級って感じがぷんぷんします。
ビーチボール型エイリアン
んで、劇中に登場するエイリアンがコレ!
ビーチボールに絵の具を塗っただけという
超しょぼいエイリアン。
でも、よくあるじゃん。
実はこういうのがメチャクチャ強いって…
でも、攻撃方法が「くすぐる」とか、
相手の箒を取り上げて叩くとか実にしょぼい。
血も出ません(爆笑
極めつけは、激オコ爆弾
そんな、映画の極めつけは、
「銀河ヒッチハイク・ガイド」の
マーヴィンに匹敵する鬱ロボット爆弾だ!
機械の故障で、爆弾司令命令を受け取り
爆弾は宇宙船の外に出るが、
メインコンピューターから
「それは事故よ、格納庫に戻りなさい」
と言われ、「これで最後だからな」と
渋々格納庫に戻る爆弾君。
しかし、何度もそのやりとりをするうちに
ブチ切れ!「もう爆発してやる!」
のんきな宇宙船の乗組員もそれにはビックリ!
どうにか爆弾を説得せなとなんと、
乗組員が必死に爆弾を説得。
何故か、自己とは何かについて哲学的な
議論をおっぱじめるのだ…
クセになる美味しさ
そんな、ぶっ飛んだ話なのだが、
そんなB級さが5周ぐらい回って
かっこいい。
短い上映時間に、ユーモアとスリリング。
そして、ただただ変な描写を
入れまくるのではなく、後半の
爆弾君との会話のように哲学を入れてくる。
「スター・ウォーズ」とか
「マッド・マックス/怒りのデス・ロード」
みたいな凄いカルト映画には必ず
どこかに哲学をぶち込み、
その哲学が観客の心を鷲掴みにし
人気を博すという、高度なテクニックを
長編初監督作からカーペンターさんは
やってしまっているのだ!!
凄すぎる。
どんなに、えいりあんとの格闘がしょぼくても、
エンディングのありえない描写があっても
許せてしまうのが、独特の世界観、
みたこともない哲学とB級のマッチに
よる化学反応によるものだと考えられる。
余談
この作品の主演を演じた、ダン・オバノン
後に「エイリアン」や「トータル・リコール」
といったSF傑作の脚本を手がけ、
あの「バタリアン」の監督まで
務めている出世頭でした。
これまた驚きである。
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