進撃の巨人 PART1
ATTACK ON TITAN
監督:樋口真嗣
出演:三浦春馬、長谷川博己、水原希子etc
評価:80点
日本もマンガの実写化にかなり頼っており、
最近ではアメリカのセコい商法を真似て、
二部構成にする傾向がある。
そんな中、絶対実写化不可能だと
言われたマンガ「進撃の巨人」
を日本で映画化しようという
バカが現れた。
おいおい、登場人物の名前、皆
ドイツ人名だぞ!
しかも、いままで「ガッチャマン」「GANTZ」と
CG使う系の大作映画は失敗しているってか、
日本のCG技術がハリウッドの足下にも
およばず残念だったじゃん!
おまけに、監督予定の中島哲也は降板するし、
ポスターや予告編しょぼそうだし…
そして極めつけは、映画評論家・前田有一評が40点
だったことに対し監督キレてるし。
まさにSEKAI NO OWARI、
期待度-1000スタート、
地雷臭しかしない作品「進撃の巨人」
観てきました。
すると…まさかのキセキが起きました(*^_^*)
そこに山があるから登るの同様、
そこにネタがあるから実写化する。
監督は見事エベレスト山頂まで登り詰めていました(*^_^*)
これが本当のミッション:インポッシブル
結果から言おう、無数の壁を予告編からじゃ想像できないほどに
克服しきっていた!
しかも、90分の使い方が非常に上手かった(*^_^*)
まず、最初に言及したいのは監督が「告白」の中島哲也
だったら絶対に撮れない映像がそこにあったとのこと。
なぜなら、今回監督した樋口真嗣監督は、
特撮のプロ、ガメラやウルトラマンシリーズの特撮
を手がけ、なんと来年の和製ゴジラ映画監督を務める
人なのだ。しかも、劇場版エヴァンゲリオンの
製作にも携わっているため、中島監督以上に
戦場やホロコーストのカタルシス、
「巨大」を描くのに特化しているのだ。
故に、CG技術がしょぼい日本ができる最大の
あがき、「特撮怪獣映画」を意識した画面作り
で対処している。下手に、ハリウッドを真似
てないところが凄い。去年のハリウッド版
ゴジラでもできず、この手法を使える外国人は
「パシフィック・リム」のあいつぐらいしか
いないだけに日本が誇れる技術だぞ。
また、特撮映画として撮ることで
独特のノスタルジーが生まれ
観る者の怒りを静める効果もある。
叩かれるの必至な作品だけに、
この選択はベストだ。
特撮演出の徹底的こだわり
具体的に、細かい特撮描写について観ていく。
確かに、予告編で出てくる超大型巨人の
造形はリアリティがないが、襲ってくる
巨人描写がリアルで怖い。
実際にエキストラを使って合成を
かけているのだが、顔の演出を
人間に近づけることで怖さが上がる。
それに相乗して
突然にょっきっと横から手を出したり、
袋のネズミにしたりというビックリ
描写に「東京残酷警察」や「デッド寿司」系
B級ジャパニーズ・ゲテモノ映画
さながらの血糊どばどば描写を
入れることで、地獄をとことん演出
後半の立体起動出るシーンがカタルシスに
変わります。よくPG-12で抑えられたね~
脚本と役者使い
次に凄いのが、脚本と役者のセッティング。
原作好きには怒られそうな改変しまくり内容
だが、日本人で構成する以上、
あと「映画」として描く以上大事だったと言える。
原作では、主人公エレンは死を恐れない
メンタルマッチョマンなのだが、
映画版だとナヨナヨしている。
マンガやドラマのように、長く物語を
描くスタイルなら、最初からマッチョマンでも
十分面白くなるのだが、映画という
二部構成だとしてもせいぜい4時間ぐらいの
作品でそれをやられると、ぐだぐだになってしまう。
主人公の成長が描けず、物語の起伏が鈍重に
なりかねない。
それを、原作者・諫山創が分かっていたのが凄い。
脚本家に映画評論家の町山智浩さんが起用されて
いるのだが、そのアイデアは諫山創から町山さんに
お願いしたと言うから凄まじすぎる。
んで、問題の「名前」は最低限の名前
「エレン」「ミカサ」以外は基本的に脚本に
入れないよう、最低限にすることで
日本人を外国人名で呼ぶことに対する
観客の違和感を減らしている。こりゃ凄い。
ただし、唯一の欠点として戦場に行くシーン。
前田有一も指摘しているが、
あれほど「五月蠅くするな巨人が起きるぞ!」
と隊長が言っているにも関わらず、
しゃべりすぎ、小学校の遠足かよと
ツッコみたくなる。
ましてや脚本を町山さんが書いているなら、
アクションで語らせようぜ!と言いたい。
作品だが、ネット評判は概ね最悪。
町山さんがネットで弁解したのも
全く効果がないようでクソ呼ばわりだ。
恐らく、観に行く人が進撃ファンだった
ということもあるだろう。
故に、ブンブンは絶賛するが、
オススメはしにくい。
強いて言えば、原作をあまり
読んでいない人や特撮怪獣映画好きに
限定でオススメしたい、そんな作品でした。
実写化ってムズいね…
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