“Ç”性転換ロックシンガー、ベルリンを語る「ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ」

クールで壮絶な映画「ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ」ついに鑑賞!


アメリカのカルト映画入門ガイドブック
「101 CULT MOVIES:YOU MUST SEE BEFORE YOU DIE」
にも掲載され、TSUTAYAでも時折ポップ紹介がある
ロック映画「ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ」
をようやく観ました。
うぉ!冒頭から凄まじいかっちょええ映画でしたw

ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ
(HEDWIG AND THE ANGRY INCH)

hedwig and the angry inch

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:ジョン・キャメロン・ミッチェル、ミリアム・ショアetc

ブロードウェイ俳優ジョン・キャメロン・ミッチェルが、
作曲家スティーブン・トラスクと共に生み出し、
ブロードウェイを湧かせた同名のロックオペラ
を映画化。

東ドイツで生まれ、アメリカ亡命作戦の為に
性転換手術をし、アメリカ軍人の愛人に
なるように仕向けたが失敗し、
股間に「怒りの1インチ」を宿してしまった
男ヘドウィッグがロックスターを目指し
奮闘する波乱の人生を描いた物語である。

ロックオペラの醍醐味



1960~70年代にザ・フーというバンドが実験的に
音楽アルバムにストーリー性を持たせたことが
ロックオペラの始まりで、「Tommy

」「四重人格

」が
映画化になるほどの話題を呼び次々と作られる
ようになった。

音楽的な特徴として、カッコいい音楽
に込められた社会批判をメロディーに
隠さず、音楽のクールさに浸りつつも
歌詞のメッセージを観客に突きつける。

例えば「ジーザス・クライスト・スーパースター


なんて、曲のタイトルに「スーパースター」
なんて付けていて、
Who are you? What have you sacrificed?
とキリストがいままで何人も犠牲者を
出していることを告発する
熱狂的なキリスト教信者から
叩かれそうな(実際叩かれた)
歌詞になっている。

洋楽にも関わらず、
日本人でも考えさせられる歌詞がそこにある。

ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチの場合

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このロックオペラが盛んだった時期は
主に1970年代。
もう時代遅れ感ある1990年代後半に
突如現れたこの作品。

全く古くささを感じない。
冒頭から引き込まれる傑作でした。
激しいコスチューム、ケバい化粧の
主人公がライブで東西冷戦を語る!
自分の波乱な物語を語る!
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この作品は、ストーリーに主人公の人生を
託すのではなく、キチンと曲中にぶち込む。
だから、冒頭から「誰かに裏切られたの?」
「東西冷戦と性問題どう関係あるの?」
といった疑問を観客に持たせて、
ストーリーを時系列バラバラにヒントを
与えつつ解き明かしていく。

カッコいい音楽に惹かれ、一見気づかないが
相当緻密な脚本。
いわば、夏目漱石の「こころ」をロックオペラに
した感じだ!

曲もどれもブンブン好みの曲。
初めて「さらば青春の光」を
観たような興奮がそこにありました。

なんか久しぶりにこの手の映画を観て気分
高揚してきたぞ(*^_^*)
「ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ」予告編

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